G20エネルギー相会合終了 共同声明まとまらず ロシアと対立か

インドネシアで開かれていたG20=主要20か国のエネルギー相会合は、終了しました。エネルギー安全保障が主なテーマでしたが、欧米とロシアの間で意見が対立したとみられ、共同声明を取りまとめることはできませんでした。

インドネシアのバリ島で開かれたG20のエネルギー相会合には、西村経済産業大臣が出席し、日本時間の午後5時すぎに終了しました。

会合では、ロシアのウクライナ侵攻で天然ガスなどの需給ひっ迫が懸念される中、エネルギー安全保障などについて意見が交わされたとみられます。

しかし欧米各国は、ウクライナ侵攻のあとドイツなどへの天然ガスの供給を減らすロシアを念頭に、「エネルギーを武器として使用している」と強く批判していて、今回の会合でもロシアとの間で意見が対立したとみられます。

こうしたことから、議長国を務めるインドネシアのアリフィン エネルギー・鉱物資源相は会見を開き、各国が目指していた共同声明を取りまとめることはできなかったことを明らかにしました。

欧米各国とロシアの対立が改めて鮮明になった形で、エネルギーの安定供給など国際社会が連携しなければならない課題に対して、答えが見いだせない状況になっています。

声明見送る代わりに議長総括を公表へ

G20=主要20か国の議長国を務めるインドネシアのアリフィンエネルギー・鉱物資源相は、会合のあとの記者会見で「今回、共同声明を出すことに合意できなかった」と述べ、声明の取りまとめを見送る代わりに、議長総括を公表する考えを示しました。

しかし、理由については「各国の間で考えの違いがあったため」と述べるにとどめました。

一方、インドネシアが提唱している、脱炭素化に向けたクリーンエネルギーへの移行の取り組み方針「バリ・コンパクト」については、すべてのメンバー国の合意が得られたとして、一定の成果があったと強調し、11月に開かれるG20の首脳会議に向けて議論を深めていきたいとしています。