オミクロン株対応ワクチン接種 早ければ今月半ば開始へ 厚労省

新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの接種について、厚生労働省は、対象を2回目までを終えた12歳以上のすべての人としたうえで、早ければ今月半ばにも高齢者や医療従事者などから開始する方針を決めました。

厚生労働省は2日、専門家で作る分科会を開き、オミクロン株に対応したワクチンの接種について具体的な対象者や進め方の方針を決めました。

それによりますと、対象は2回目までの接種を終えた12歳以上のすべての人としています。

そのうえで、速やかに進めるため、現在行われている4回目接種の対象となっている高齢者や医療従事者などのうち、まだ接種を受けていない人から、オミクロン株に対応したワクチンに切り替えて、早ければ今月半ばにも始めるとしています。

新しいワクチンは、従来株に由来する成分とオミクロン株の一つ「BA.1」の2種類を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれるもので、現在流行している「BA.5」に対しても、効果が見込まれています。

ファイザーとモデルナが厚生労働省に薬事承認を申請していて、承認されれば、今月半ばにも各自治体へ配送される見通しです。

厚生労働省は、準備が整った自治体から来月半ばをめどに、対象をすべての年代に拡大していくとしています。

5歳から11歳への3回目接種 来週にも開始へ

2日に開かれた厚生労働省の専門家の会議では、新型コロナウイルスワクチンの5歳から11歳の子どもへの3回目の接種を来週にも始めることが決まりました。

5歳から11歳の子どものワクチン接種は、ことし2月から、ファイザーのワクチンを使って1回目と2回目が行われています。

3回目も同じワクチンを使って行われ、2回目から少なくとも5か月以上間隔を開けていることが条件となります。

ファイザー社によりますと、海外で2回目からおよそ6か月がたった5歳から11歳の子どもに3回目の接種を行ったところ、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値がおよそ6倍に増えたということです。

厚生労働省は今後、必要な手続きを踏まえたうえで、来週にも実施をできるよう準備を進めることにしています。

加藤厚労相「自治体と緊密に連携し準備進める」

加藤厚生労働大臣は、記者会見で「これまで10月半ばに接種開始予定としてきたが、製薬企業と交渉を進めた結果、欧米に遅れることなく、わが国でも9月半ばすぎから国内配送を開始できる見込みとなった。今月6日に自治体に対する説明会を開始する。引き続き、自治体と緊密に連携して準備を進めていく」と述べました。

また、加藤大臣は、現在も高い感染レベルが続いているとして、重症化リスクが高い人は、オミクロン株に対応したワクチンの接種を待たずに、必要なワクチンを接種するよう呼びかけました。