出発を前にグロッシ事務局長は「大きなリスクがあることは把握している。われわれには達成するべき非常に重要な任務がある」と記者団に述べました。
グロッシ事務局長が率いるIAEAの専門家チームは1日、日本時間の午後8時過ぎ、ザポリージャ原子力発電所に到着しました。
一方、これに先立ち、ザポリージャ州の知事は1日「IAEAの調査が行えるよう、事前に合意していた原発までのルートを、ロシア側が砲撃している。われわれはロシアに対し、挑発をやめ、IAEAによる原発の施設への立ち入りを認めるよう求める」とSNSに投稿しました。
また、ウクライナの原子力発電公社「エネルゴアトム」は1日「きょう再びロシア軍による砲撃があり、安全装置が作動して5号機が停止した」と発表し、稼働中の2基の原子炉のうち、1基が停止したと、ホームページで明らかにしました。
これに対しロシア国防省は1日「ウクライナ軍が挑発行為を行い、原発の1号機から400メートルの距離で4発の砲弾が爆発した。けさは、ウクライナ軍の工作部隊が7隻のボートに乗って原発を奪還しようとしたが、撃退した」などと主張し、原発の周辺の地域では戦闘が続いているもようです。
IAEAが原発の安全確保に向けた調査を始めようとしているにもかかわらず、現地では緊迫した状況が続き、予定どおり調査を行えるかどうかが焦点となっています。
ザポリージャ原発 IAEA到着も砲撃の情報 調査行えるかが焦点
ウクライナ南東部にあるザポリージャ原子力発電所の安全を確保するため調査に向かっていたIAEA=国際原子力機関の専門家チームが1日、日本時間の午後8時すぎに原発に到着しました。しかし原発の周辺の地域では、朝から砲撃の情報が相次ぎ、稼働中の原子炉の1つが安全装置が作動して停止するなど、緊迫した状況が続く中、予定どおり調査を行えるかが焦点となっています。
ウクライナ南東部にありロシア軍が掌握するザポリージャ原子力発電所では、相次ぐ砲撃によって一部の施設に被害が出ていて、重大な事故につながりかねないという懸念が高まっています。
調査のため、ウクライナに入ったIAEAの専門家チームは、先月31日、原発から60キロほど離れたザポリージャ市に到着し、1日、原発に向けて出発しました。
