松野官房長官 “IAEA訪問 ザポリージャ原発の安全確保に期待”

松野官房長官は1日午前の記者会見で「IAEA=国際原子力機関の継続的かつ不断の努力を評価しており、今般の訪問を歓迎する。安全に任務を遂行し、ザポリージャ原子力発電所の安全などが確保されることを期待し、引き続き、G7=主要7か国と緊密に連携しつつ取り組みを後押ししていきたい」と述べました。

そのうえで「原子力発電所の占拠を含め、ロシアの一連の行為は決して許されない暴挙であり、蛮行を即座に停止するよう求める」と述べました。

“新疆ウイグル自治区の人権状況 中国は透明性ある説明を”

新疆ウイグル自治区については「報告書が公表されたことを評価する。新疆ウイグル自治区については重大な人権侵害が行われているとの報告が、これまでも数多く出されている」と指摘しました。

そのうえで「わが国は、新疆ウイグル自治区などの人権状況について深刻に懸念しており、国際社会の普遍的価値である自由、基本的人権の尊重、法の支配が、中国においても保障されることが重要だと考えている。引き続き中国に対し、透明性のある説明を含め、さらなる前向きで具体的な行動をとるよう強く求めていく」と述べました。

“サハリン2への参画 エネルギー安定供給の観点から意義”

サハリン2については「ロシア政府が三井物産と三菱商事の事業への参画を認める決定を行ったことは、わが国のエネルギー安定供給の観点から非常に意義があることだと考えている。今後、株主間でさまざまな議論が行われると認識しているが、引き続き状況を注視し、官民一体となってLNG=液化天然ガスの安定供給に万全を期していきたい」と述べました。

“北方領土でのロシア軍事演習 到底受け入れられない”

ロシアの軍事演習については「7月27日に外交ルートを通じてロシア側に対し、北方領土でロシアによる軍事演習が実施されることはわが国の立場と相いれず、到底受け入れられない旨、抗議し、当該演習の実施地域から北方四島を除外するよう強く申し入れを行った」と述べました。

また、軍事演習に中国やインドが参加するとロシア側が公表していることについて「中国政府およびインド政府とのさまざまなやり取りの中で、わが国の立場を伝達している。インド側からは北方領土における軍事演習には参加しない旨の説明を受けている。引き続き、各国の参加も含め、関連の情報収集などを行っているところであり、適切に対応していく」と述べました。