パキスタン 洪水続きインフラ被害 支援物資輸送も困難に

パキスタンでは大雨による洪水が続き、これまでに1100人が死亡するなど被害が拡大しています。各地で道路や橋など交通インフラが大きな被害を受け、支援物資を輸送することが困難で、厳しい状況が続いています。

パキスタンではことし6月中旬から、各地で例年の雨量を大幅に上回る大雨が降り続き洪水が発生していて、地元の防災当局によりますと、これまでに1162人の死亡が確認されました。

パキスタンのレーマン気候変動相は「国土の3分の1が水没した」と述べるなど被害は拡大し、被災した人は3300万人に上っています。

現地では軍が出動して、被災者の救助や支援などにあたっていますが、食料や水、医薬品などの不足が深刻になっています。

さらにこれまでに、道路あわせて5000キロと243か所の橋が雨で流されたり水につかったりするなど、交通インフラが各地で大きな被害を受け、支援物資を輸送することが難しくなっています。

パキスタン政府はドローンなども使用して物資の輸送を試みているということですが、被災した地域は広大で厳しい状況が続いています。

南部シンド州の町では平年の26倍の雨量のところも

WMO=世界気象機関の30日の発表によりますと、パキスタンで8月に入って降った雨の量は平年の3倍近くに上っていて、ふだんは雨が非常に少ない地域でも大雨になっているということです。

このうち南部シンド州では、8月に雨が降る日数が平年は1日から3日なのに対し、ことしは多いところでは17日もあったということです。

シンド州にある町パディダンの8月の雨量は30日現在、平年の26倍にあたる1200ミリあまりに上っていて南部では広い範囲が水につかっているとしています。

今後の見通しについて、WMOはパキスタン北部の山岳地帯でも最近、洪水が発生したため、今後、数日から数週間のうちに被害はさらに悪化するおそれがあると指摘していて「今回の災害は、気候変動の影響を緩和させる措置や対応策の必要性を改めて示している」としています。