国承認 新型コロナ 抗原検査キット ネット販売始まる

今月、ネット販売が解禁された新型コロナウイルスの抗原検査キットのインターネットでの販売が31日から始まりました。

国の承認を受けた抗原検査キットは医療機関の負担軽減などを目的に今月、インターネットでの販売が解禁され、国に申請したメーカーが出荷の準備を進めていました。

このうち今月26日に申請が承認されたメーカーは、各メーカーの中で最も早く、31日から薬局や大手通販サイトのホームページで販売を始めました。

抗原検査キットを販売する際には薬剤師が購入者に使用方法などを説明することが義務づけられていて、調剤薬局を全国で展開する薬局チェーンのサイトでは、検査キットの適切な使用方法のほか、陽性と出た場合には自治体が設置する陽性者登録センターに登録することや医療機関を受診することなどを注意喚起するチェック項目を設けています。

サイトでの販売は24時間注文できますが、購入の手続きを終えるには日中の時間帯に薬剤師が記入項目を確認する必要があり、正しい使用方法などについてメールなどで改めて購入者に確認を取ったうえで販売することになっています。

「日本調剤」の薬剤師 庄司智一さんは「感染の疑いがあってもなかなか薬局に行けない人もいると思う。適切な使用方法などを理解いただいたうえで、積極的にオンライン販売を活用してほしい」と話していました。

製造メーカーの対応は

インターネットでの抗原検査キットの販売にあたって厚生労働省は、医療機関などで使用されているものと同じ検出性能であることなどを条件にしていて、ネット販売を希望するメーカーは国に改めて申請し、承認を得る必要があります。

抗原検査の簡易キットを製造するメーカー20社に取材したところ、31日の時点でネットでの販売に向けて国に申請し承認を受けたのは3社でした。

このうち1社は現時点で数千万個分の在庫があり、来月中旬から需要に応じて出荷する方針だとしています。

このほか6社が申請へ向けて検討を進めていて、このうち1社では来月中旬ごろの申請へ向けて今月の生産量のおよそ1割にあたる100万個程度を供給したいとしています。

一方、5社は当面は申請しない方針だとしていて、理由について需要の急増で医療機関への供給を優先させる必要があるほか、ネット販売の需要を見極めたいなどとしていて、メーカーによって対応が分かれています。

厚生労働省は安定して必要な供給量を確保できるよう引き続き各社の生産や在庫の量などを確認していくことにしています。