IAEAがキーウ到着 ゼレンスキー大統領と会談 31日にも調査へ

ウクライナ南東部の原子力発電所の調査を行うため現地に向かっているIAEA=国際原子力機関の専門家チームは、首都キーウに到着し、31日にも調査を始める見通しです。

ただ、ウクライナとロシアが砲撃を続けていると互いに非難するなか、調査が順調に進められるかが焦点となっています。

ウクライナ南東部にあり、ロシア軍が掌握するザポリージャ原子力発電所では相次ぐ砲撃によって重大な事故への懸念が高まっていて、IAEAのグロッシ事務局長が率いる専門家チームが調査を行うため現地に向かっています。

グロッシ事務局長は、30日、首都キーウでゼレンスキー大統領と会談しました。

このなかでゼレンスキー大統領は「原発からすべてのロシア軍部隊が爆発物や武器とともに排除されて直ちに非武装化されるとともに 原発とその周辺に非武装地帯を設けることを世界は支持している」と述べました。

さらに、原発をウクライナ政府の管理下に完全に移すことでしか危険を取り除くことはできないという考えを強調しました。

アメリカのメディアによりますと調査は31日から9月3日までの間、行われる予定だということです。

調査について、ロシアの新聞「イズベスチヤ」は30日、ザポリージャ州の一帯を掌握した親ロシア派のトップが、調査に同行し原発の状況などを説明する予定だと伝えています。

こうした中、ウクライナ軍は29日、南部ヘルソン州のロシア軍が占領する地域で新たな攻勢に乗り出しました。

これに対し、ロシア国防省は30日、「ウクライナ軍の攻勢を打ち負かし、ウクライナ軍は兵士1200人以上が殺害された」などと主張しました。

ウクライナ軍は、ロシアが支配する拠点の橋や、弾薬庫を攻撃してロシア軍の補給路に打撃を与えてきたとみられていて南部の領土奪還に向けた本格的な反転攻勢につながるのか注目されています。