ロシア政府系ガス会社 ドイツ向け天然ガス供給きょうから停止

ロシアの政府系ガス会社ガスプロムは、ドイツ向けの主要な天然ガスパイプライン、ノルドストリームを通じた供給について日本時間の31日午前から3日間停止すると明らかにしました。
設備の点検を理由にした停止だとしていますが、ドイツをはじめヨーロッパ側はロシアがエネルギーを武器に揺さぶりをかけていると警戒を強めています。

ロシアの国営メディアによりますと、ガスプロムは、ロシアとドイツを結ぶヨーロッパ最大規模の天然ガスパイプラインノルドストリームを通じた供給を31日午前4時、日本時間のきょう午前10時から停止すると明らかにしました。

ロシア側の設備の点検が理由で、9月3日午前4時までの3日間の予定だとしています。
ガスプロムは、すでにノルドストリームを通じた供給量を本来のおよそ20%にまで絞っています。

暖房需要が増える冬を前にヨーロッパでガス不足への懸念が広がる中、このパイプラインでの供給が点検を理由に停止されるのは、先月に続いて2度目で、ドイツなどヨーロッパの国々は、ウクライナ情勢を巡り欧米と対立するロシアがエネルギーを武器に揺さぶりをかけていると警戒を強めています。

今回の停止を巡っては、今月中旬にロシア側が発表して以降、ヨーロッパの天然ガス市場で供給停止が長期化するとの懸念から先物価格が高止まりしていて、停止が予定どおり3日間で終わるのかが焦点となります。

フランス向けの天然ガスの供給も1日から停止

またガスプロムは30日、フランスの大手エネルギー会社エンジーに対する天然ガスの供給を一時的に停止すると発表しました。

発表によりますと、供給の停止は9月1日からでことし7月分の供給に対する代金の支払いがなかったことが理由だとしています。

さらにガスプロムは、今回の措置はことし3月に出された大統領令に基づくものだとした上で、代金がすべて支払われるまで、供給の停止を続けると通告したとしています。

ロシアからフランスへの天然ガスをめぐっては30日、エンジーがガスプロムから供給を減らすと通知があったと発表していました。