仏エネルギー会社 ロシアから天然ガス供給 削減通知と発表

フランスの大手エネルギー会社は30日、ロシアの政府系ガス会社から天然ガスの供給を減らすと通知されたと発表し、エネルギー需要が高まる冬に向けて、政府が企業にも省エネを呼びかける中、エネルギー事情は一段と厳しさを増しそうです。

フランスの大手エネルギー会社エンジーは30日、ロシアの政府系ガス会社ガスプロムから「契約に関する不一致がある」として、30日から天然ガスの供給を減らすと通知されたと発表しました。

これについてエンジーは「すでに顧客への必要な供給量は確保するなど、影響が出ないように対策を講じている」としています。

フランスではボルヌ首相が29日、「ロシアがヨーロッパへの天然ガスの輸出を完全に停止すれば、その影響は甚大だ」と述べ、国内の企業に対して9月中に省エネ計画をまとめるよう求めていました。

ロシアからの天然ガスをめぐっては、ガスプロムが今月31日から3日間、設備の点検のためドイツ向けの供給を停止するとしていて、ヨーロッパ市場では26日、天然ガスの先物価格が過去最高値となるなど、影響が懸念されています。

フランスのロシアに対する天然ガスの依存度は消費量の17%と、ドイツなどに比べて低いものの、冬に向けて政府が企業にも省エネを呼びかける中、エネルギー事情は一段と厳しさを増しそうです。
これについてフランスのエネルギー転換省は、NHKの取材に対し「今回のガス供給の削減は、契約を尊重せず、顧客への供給を削減してきたガスプロムによる数か月にわたる対応の結果だ。フランスは供給源の多様化や備蓄の増加などを通じて、こうした対応に備えてきており、国内での安定的なガスの供給を損なうものではない」とするコメントを出しました。