救急患者「搬送困難な事例」前週より1000件余減も依然高い水準

28日までの1週間に、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は5097件と、前の週より1000件余り減ったものの、依然として多い状態が続いていることが、総務省消防庁のまとめでわかりました。総務省消防庁は「新型コロナウイルスの感染拡大前と比べるとおよそ6倍にのぼっていて、今後も危機感を持って推移を注視していきたい」としています。

総務省消防庁は患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに毎週、取りまとめています。

28日までの1週間は5097件で前の週より1000件余り減りました。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期(853件)のおよそ6倍となっています。

このうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは1937件で、全体の38%を占めています。

「搬送が困難な事例」を地域別にみると
▽東京が2168件
▽大阪市が440件
▽横浜市が293件
▽千葉市が233件
▽さいたま市が231件
▽名古屋市が172件
▽福岡市が132件
▽札幌市が128件
▽広島市が114件
▽京都市が113件
▽仙台市と神戸市が106件などとなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期と比べると
▽東京が5.3倍
▽大阪市が4.11倍
▽横浜市が11.72倍
▽千葉市が4.48倍
▽さいたま市が8.88倍
▽名古屋市が34.4倍
▽福岡市が7.5倍
▽札幌市が6.4倍
▽広島市4.75倍
▽京都市が12.56倍
▽仙台市が4.08倍
▽神戸市が15.14倍となっています。

このほか、大都市と比べると件数自体は多くないものの、全国各地で搬送困難な事例が感染拡大前に比べて増えています。

総務省消防庁は「前の週に比べて件数が減ったものの依然として高い水準を維持していて、新型コロナウイルスの感染拡大前のおよそ6倍にのぼっている。今後も引き続き危機感を持って推移を注視していきたい」としています。