10月電気料金 大手電力10社 過去5年で最高水準に

大手電力10社のことし10月分の電気料金は、全社で燃料価格の高騰分を転嫁できる上限に達し、比較できる過去5年間で最も高い水準になります。

大手電力10社は30日、10月分の電気料金を発表しました。

使用量が平均的な家庭の電気料金は
▽中部電力が前の月より78円値上がりして9189円になったほか、
▽東京電力が9126円、
▽北海道電力が8862円などとなっています。

ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、電気料金は比較できる過去5年間で最も高い水準になります。

各社の電気料金は、LNG=液化天然ガスや石炭など火力発電の燃料価格の上昇分を転嫁できる上限が決まっています。
今回、中部電力がその上限に達し、大手電力10社すべてがこれ以上値上げできない異例の事態となっています。

東電は去年10月分から26%余・1888円の値上がり

使用量が平均的な家庭で見ると、
▽東京電力は去年10月分が7238円でしたが、ことし10月分は9126円と26%余り値上がりします。
▽中部電力は去年10月分は6893円でしたが、ことし10月分は9189円と、値上がり幅は33%余りになります。
このほか、
▽北海道電力と東北電力は同じ期間に14%余りの値上がり、
▽そのほかの多くの電力会社も1割程度の値上がりとなっています。

ガスも値上げ相次ぐ

また、10月分のガス料金も、都市ガスの原料となるLNGの価格高騰を受けて、大手ガス会社4社のうち3社で値上がりします。

9月分と比べると、使用量が平均的な家庭では、
▽東京ガスが289円上がって6175円、
▽東邦ガスが232円上がって7593円、
▽西部ガスが170円上がって6997円となります。

割安になるはずの「自由料金」が割高に

2016年4月にスタートした家庭向けの電力小売りの自由化によって、利用者は
▽値上げの際に国の認可が必要な「規制料金」と、
▽電力会社が独自に料金を決められる「自由料金」の2種類から料金体系を選べるようになりました。

自由化の前から契約を変更していない世帯には規制料金が適用されるのに対して、自由料金では電力会社がガスやインターネットなどとセットで契約した場合に割り引きを適用したり、電力利用の少ない早朝や夜間の時間帯を割安にしたりするなど、様々なプランを提供しています。

利用状況に応じた割安なプランを選べることから自由料金の契約が増え、経済産業省によりますと大手電力会社が家庭などに向けて販売した電力量のうち、自由料金の割合はことし5月時点で54.8%となっています。

ただウクライナへの軍事侵攻などを背景とした燃料費の高騰によって電気料金は上がり続けていて、特に電力会社が独自に料金を決められる自由料金の上昇幅が大きくなっています。
東京電力では、自由料金のプランを選択している使用量が平均的な家庭の場合、ことし10月分の電気料金は9943円と、ことし2月以降、24%上昇しました。

規制料金のプランでは平均的な家庭の電気料金は9126円となっていて、自由料金との差は開き続けています。

このように、電力自由化によって本来割安になるはずだった自由料金のプランが規制料金のプランを上回る異例の事態となっていて、利用者にとっては自由化のメリットを得にくい状況となっています。

料金プランの見直し相談も増加

電気料金の値上がりを受けて、契約する料金プランの見直しを検討する人が増えています。

大手電力会社や新電力の料金プランを比較して利用者にあったプランを紹介する東京のベンチャー企業「エネチェンジ」には、連日、電気代を下げたいという一般家庭からの相談が相次いでいます。

会社によりますと、ことしに入ってからの相談件数は、去年の同じ期間に比べて2倍以上に増えているということです。
30日も会社には電気代の節約につながるプランがないか、問い合わせる電話が相次ぎ、担当者がそれぞれの利用状況を聞き取った上で、最適なプランを紹介していました。

エネチェンジの曽我野達也取締役は「電気代は家計の支出の中で大きな割合を占めているので、相談が増えているのは、それだけ家計が苦しい状況になっているからだと感じている」と話していました。

その上で「大手電力会社だけでなく、新電力でも料金を値上げする動きが出ているので、それぞれの家庭で契約しているプランが今どうなっているか、確認するタイミングに来ている」と話していました。