ザポリージャ原発 IAEA専門家チーム現地入りへ 安全確保が焦点

ウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所について、IAEA=国際原子力機関の専門家チームは、調査のために現地に向かっています。原発への攻撃が相次ぎ、大規模な事故への懸念が高まる中、安全確保につなげられるかが焦点となります。

ロシアが掌握するウクライナ南東部にあるザポリージャ原発では、25日から27日にかけて、原子炉建屋からおよそ100メートル離れた場所にある建物付近に砲撃があったと、IAEAが明らかにするなど、原発やその周辺への攻撃が相次いでいます。

人工衛星を運用するアメリカの企業「マクサー・テクノロジーズ」が、29日撮影した画像では、原子炉近くの建物の屋根に穴のようなものが複数確認できるほか、原発周辺の地域で、白い煙が上がっている様子が捉えられています。
こうした中、IAEAの専門家チームは今週、調査のために現地入りする予定で、ウクライナの外務省は「専門家チームは、きょうにも首都キーウに到着する予定だ」と発表しています。

これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日、IAEAの調査に協力する姿勢を示しました。

一方、欧米などが提案している原発からの部隊の撤退については、改めて否定的な考えを示しています。

調査が予定どおり進み、安全確保につなげられるかが今後の焦点となります。