台風11号 再び猛烈な勢力に 沖縄に接近のおそれ

台風11号は、再び猛烈な勢力となって沖縄の南の海上を南下し、2日にかけて停滞したあと、北上して沖縄県に近づくおそれがあります。一方、前線や湿った空気の影響で西日本から北日本にかけての広い範囲で大気の状態が不安定になり非常に激しい雨が降っていて、土砂災害や低い土地の浸水などに警戒が必要です。

台風は沖縄の南で停滞しあさって以降北上の見込み

気象庁によりますと、猛烈な台風11号は、午後3時には沖縄県宮古島の南330キロの海上を1時間に15キロと速度をやや落として南南西へ進んでいます。

中心の気圧は920ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルで、中心の半径95キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。

台風はこのあとも発達しながら沖縄の南へ進み、2日にかけて停滞する見込みで、中心気圧が915ヘクトパスカルに達すると予想されています。
沖縄地方では非常に強い風が吹き、大しけとなっていて、2日にかけての最大風速は、20メートル、最大瞬間風速は30メートルと予想されています。

台風はその後北上し、3日から4日にかけて再び先島諸島や沖縄本島地方にかなり近づく見込みで、先島諸島では3日には最大風速が40メートルから50メートル、最大瞬間風速は55メートルから70メートルに達すると予想されています。

また、波もさらに高まり、3日には10メートルの猛烈なしけとなる見込みです。

沖縄県では風や波などの影響が長期間続くおそれがあります。

暴風や高波に厳重に警戒し、自治体などからの避難の情報に十分注意してください。

さらにその後は東シナ海を北上する見込みで、進路によっては西日本などでも影響を受ける可能性があります。

台風から離れた本州も大雨に十分注意

一方、前線や湿った空気の影響で西日本と東日本それに北日本の広い範囲で大気の状態が不安定になり局地的に雨雲が発達しています。

午後3時半までの1時間には、静岡県の浜松市船明で48ミリの激しい雨を観測しました。

大気の不安定な状態はこのあとも続く見込みで、雷を伴って激しい雨が降り、局地的には非常に激しい雨が降るおそれがあります。

2日の昼にかけての24時間雨量はいずれも多いところで、
▽中国地方と近畿、それに東海で100ミリ、
▽北陸と東北で80ミリと予想されています。

その後、3日の昼までの24時間には、東海で100ミリから150ミリの雨が予想されています。

気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意するよう呼びかけています。

中心付近の最大瞬間風速 80mになると予想

猛烈な台風11号は9月2日にかけてさらに発達し、中心付近の最大瞬間風速が80メートルになると予想されています。

気象庁によりますと、猛烈な台風11号は中心付近の最大風速が55メートル、最大瞬間風速は75メートルに達しています。

専門家で作る日本風工学会によりますと、最大瞬間風速70メートルは時速に換算するとおよそ250キロと、新幹線の速度に匹敵するということです。

屋外の行動は極めて危険で、住宅の一部は倒壊し、鉄骨の建物でも変形するおそれがあるほか、電柱やブロック塀が倒れたり走行中のトラックが横転したりすることがあるということです。
2003年の台風14号では、沖縄の宮古島で74.1メートルの最大瞬間風速を観測し、割れた窓ガラスで屋内にいた女性1人が死亡したほか、風力発電用の風車の倒壊が相次ぎました。

2015年の台風15号では、沖縄の石垣島で71メートルの最大瞬間風速を観測し、車が飛ばされたり電柱が倒れたりする被害が相次ぎ、沖縄県で11人がけがをしたほか、最大で2万戸余りが停電しました。

猛烈な台風11号は、9月2日にかけてさらに発達する見込みで、いったん南下したあと北上して再び沖縄県に近づくと予想されています。

沖縄県では影響が長期間に及ぶおそれもあり、風が強まる前に頑丈な建物に移動して外出を控え、屋内では窓から離れるようにしてください。

台風11号 なぜ“迷走”?

今回の台風11号は日本付近では北上することが多い一般的な経路とは異なり、いったん西や南へ進んだあと週明けには北上すると予想されています。

まるで“迷走”しているような台風のルートの背景には太平洋高気圧の勢力が大きく関係しています。

気象庁によりますと、台風11号は今月28日に東京の小笠原諸島の東の海上で発生し、急速に発達しながら西へ進みました。

今、日本の南から大陸にかけての広い領域を太平洋高気圧が帯のように覆う状態が続いています。
台風は高気圧の縁を回る風に流され、31日にかけて西へ進んでいます。

台風の南側には熱帯低気圧があり、9月2日にかけてこの熱帯低気圧をまわるように沖縄の南に達し、そこで停滞すると見込まれています。

一方、大陸まで伸びていた太平洋高気圧は次第に東へと後退し、大陸に残った高気圧と東西に分かれる形になると予想されています。
沖縄県は、いわば2つの高気圧に挟まれるような形となり、台風は3日ごろからこの高気圧の隙間を通って北上するとみられています。
先島諸島などに再び接近するおそれがあり、沖縄県では台風による影響が長く続く可能性があります。

さらに、その後の進路によっては九州など西日本に近づく可能性もありますが、今後の進路や接近のタイミングの予想が大きく変わる可能性があります。

地元の自治体や気象台などが発表する今後の情報に十分注意してください。

台風11号なぜ急速に発達したのか?

短時間で急速に発達し、8月31日には猛烈な勢力になると予想された台風11号。

その原因と考えられるのが「高い海面水温」と「台風が比較的コンパクトなこと」です。

台風11号は、28日午後3時に発生した当初は中心の気圧が1004ヘクトパスカルでしたが、30日午後3時には935ヘクトパスカルと非常に強い勢力となり、わずか2日で70近くも急激に低下しました。
【原因1「海面水温の高さ」】

なぜ、ここまで急速に発達したのか。

気象庁によりますと、考えられる原因の1つが「海面水温の高さ」です。

台風11号が通過する日本の南の海域には海面水温が30度以上と温度が高い領域が広がり、平年と比べても1度から2度ほど高くなっています。

こうした海域を通過することで、台風に大量の水蒸気が供給され、発達につながったとみられます。
【原因2 台風の大きさも影響か】
さらに、台風が比較的コンパクトな点も影響したといいます。

台風は強風域の半径が500キロ以上だと「大型」となりますが、台風11号は午後3時の時点で165キロから220キロほどです。

こうした台風は比較的少ない水蒸気の量でも雲が中心に向かってまとまりやすく発達しやすいということで、急速な発達の原因になっているのではないかとしています。