イチローさん マリナーズ球団殿堂入り 式典でファン大歓声

大リーグ、マリナーズでシーズン最多安打など数々の記録を打ちたてたイチローさんの球団殿堂入りの式典が本拠地シアトルの球場で行われました。
イチローさんは、英語のスピーチでファンに感謝の思いを伝え、満員の観客から割れんばかりの大歓声が送られました。

イチローさんは2001年に大リーグで日本選手初の野手としてマリナーズに入団し、1年目から10年連続でオールスターゲーム選出とシーズン200安打を続け、2004年には大リーグ記録となるシーズン262安打をマークしました。

その功績をたたえられ、日本選手として初めて大リーグの球団の殿堂入りを果たし、27日、本拠地での試合の前に式典が行われました。

式典には妻の弓子さんや、かつてのチームメートなどが出席し、イチローさんがスーツ姿で登場すると、満員のファンから割れんばかりの大歓声とイチローコールが起きました。

イチローさんは式典の最後に英語でスピーチし、はじめに「ワッツアップ、シアトル!」、「調子はどうだい、シアトル」と大声で呼びかけて、球場を沸かせました。

スピーチは現役時代に当時のピネラ監督から試合に勝った後、ほおにキスをされ驚いたことなど、イチローさんらしいジョークを交えながらおよそ17分にわたりました。

そして、「現役は引退しましたが、野球は永遠に私の魂です。私は今もマリナーズのユニフォームを誇りを持って着ています」と、野球と球団への思いを語りました。

スピーチの最後は、「すばらしいシアトルのファンへ」として「21年前に最初の試合でルーキーだった私に大歓声を送ってくれて以来、その声援は決して止まることはありませんでした。2018年に再びマリナーズに戻ってきた時も熱烈に歓迎してくれたことは、私のキャリアで最も思い出深いことの一つです。マリナーズの一員として、あなたたちの前でプレーできたのは最高の名誉です」と締めくくると、観客から拍手と大歓声が送られ、しばらく鳴りやみませんでした。

イチローさんは、引退から5年が経過する2025年にアメリカ野球殿堂入りの資格を得る予定で、こちらも日本選手では初めてとなる殿堂入りが確実視されています。

会場の球場には大型ビジョンで祝福のメッセージ

式典では、球場の大型ビジョンでビデオメッセージが上映され、エンジェルスの大谷翔平選手や、現役時代に日米で名勝負を繰り広げた松坂大輔さんなどが祝福のメッセージを寄せました。

大谷選手は、「小さいころから目標にしていました。そういう方のビデオメッセージに出演できるのは少し不思議な気持ちですが、これからも目標にして頑張りたいと思います。本日はおめでとうございます」と、メッセージを寄せました。

また松坂さんは、「イチローさん、マリナーズ殿堂入りおめでとうございます。僕は去年引退しましたが、プロに入る前からイチローさんの背中を目標に頑張ってくることができました。僕にとってイチローさんは憧れであり、尊敬する人であり、目標です。これからもその背中を追いかけ続けたいと思っています」と話しました。

このほかにも、イチローさんと同じくマリナーズの殿堂に入っているランディ・ジョンソンさん、それにカーディナルスのプーホールズ選手やエンジェルスのトラウト選手といった豪華なメンバーが祝福のことばを贈りました。

また、イチローさんが現在飼っている2匹の愛犬もビデオメッセージを寄せました。

映像では、2匹の鳴き声に合わせて字幕で、「いつも『いい子だね』と僕たちを褒めてくれますが、きょうは僕たちが『いい子だね』と世界中に言いたいです。とても誇りに思います。今夜はいつもよりいい子してくれる?」と紹介され、イチローさんは温かい表情でビデオを見終えると妻の弓子さんと笑顔でハイタッチをしていました。

グリフィーさん「最も一貫した選手で野球の概念高めた」

通算630本のホームランを打ち、マリナーズの殿堂、そしてアメリカ野球殿堂入りを果たしているケン・グリフィーさんがNHKのインタビューに応じ、イチローさんについて「彼は最も一貫した選手で、野球選手の概念を高めた」と賛辞を贈りました。

マリナーズなどで活躍したグリフィーさん(52)は、走攻守そろった外野手としてホームラン王を4回、ゴールドグラブ賞を10年連続で受賞した名選手で、キャリア終盤の2009年と2010年はマリナーズに復帰してイチローさんと2年間チームメートでした。

式典に出席したグリフィーさんはNHKのインタビューに応じ「彼は私の親友。グラウンドの中でも外でも彼と私は野球に対して同じ情熱がある。親友の彼が大切な場面を迎える時、私は隣にいたかった」とイチローさんへの思いを話しました。

その上で、イチローさんの功績について「彼は野球選手という概念を高めた。彼から学んだことは、献身と毎日行う準備。彼はいちばん力持ちでもいちばん足の速い選手でもなかったが、最も一貫した選手だった。一貫性が何より大切で、彼はそれを貫いた」と話し、日々努力する姿勢をたたえました。

また、イチローさんとの思い出については、現役時代にイチローさんの音楽プレーヤーをこっそりクラブハウスのスピーカーにつないで音楽をかけたことを明かし、「その時彼は、『初めてクラブハウスで日本の音楽が流れた』と言っていて、すごく驚いた。彼はとても謙虚で自分に没頭する人なので、その甲羅から本当の姿を引っ張り出すのは楽しい。私は野球選手としてだけでなく、1人の人間として彼のことを大切に思っていると伝えたかった」と話していました。

そして、「球団の殿堂入りは名誉だが、今後彼が経験することのほんの一部で、まだスタートにすぎない。アメリカ野球殿堂にも入ると思うし、マリナーズの選手が増えるのが待ち遠しい」と話し、2025年に資格を得るイチローさんのアメリカ野球殿堂入りにも期待を寄せていました。