ロシア“掌握地域”併合にらんだ住民投票 9月実施困難の見方も

ウクライナへの侵攻を続けるロシアは、掌握したとする南部などでロシアへの併合をにらんだ住民投票を実施する準備を進める一方、協力者の不足やウクライナ側の反撃によって、ロシアの地方選挙にあわせた来月の実施は難しいとの見方も出ています。

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは27日も各地を攻撃していて、ウクライナ南東部のザポリージャ州の知事は、27日、SNSで、集合住宅がロシア軍に攻撃され、2歳と8歳の子どもを含む5人が死亡したとして、ロシアを非難しました。

一方、ウクライナ軍はSNSで26日、ロシアが掌握したとする南部ヘルソン州にある2つの橋を攻撃したと発表し「橋は使えなくなった」として、ロシア軍の補給路に打撃を与えたとしています。

そのヘルソン州やザポリージャ州などでは、ロシアの地方選挙が行われる来月11日にもロシアへの併合をにらんだ住民投票を実施する準備をロシア側が進めているとされています。

これについてウクライナ国防省の情報総局の幹部は26日、地元メディアに対して、すべてのプロセスを監視しているとしたうえで、ロシアから絶えず支配地域に政治家やボランティアなどが到着しているとし「準備はほぼ完了している」と述べ、警戒感を示しました。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は26日、ロシアの支配地域ではウクライナ側による反撃が続いているほか、親ロシア派内部での摩擦や住民投票の準備を進める協力者が不足しているとして、「9月に見せかけの住民投票を成功させる可能性は低いだろう」と分析しています。