TICAD 岸田首相 アフリカに300億ドル規模の資金投入方針表明

TICAD=アフリカ開発会議が、北アフリカのチュニジアで開幕しました。岸田総理大臣はオンラインで演説し、アフリカの成長を後押しするため、グリーン分野への投資など、今後3年間で官民合わせて総額300億ドル規模の資金を投入する方針を表明しました。

TICADの共同議長を務める岸田総理大臣は、新型コロナに感染したため対面での出席を取りやめオンラインで演説を行いました。

この中で岸田総理大臣は「2050年には世界人口の4分の1を占めると言われるアフリカは、若く、希望にあふれ、ダイナミックな成長が期待できる大陸だ。日本はアフリカと『共に成長するパートナー』でありたい。『人』に注目した日本らしいアプローチで、強じんなアフリカを実現したい」と述べました。

そのうえで、アフリカの成長を後押しするため「人への投資」と「成長の質」を重視し、今後3年間で官民合わせて総額300億ドル規模の資金を投入する方針を表明しました。

具体的な取り組みとして、再生可能エネルギーの普及などグリーン分野に官民合わせて40億ドルを投資するほか、スタートアップを支援するための投資を促す考えを示しました。

さらに生活の向上に向けたインフラ整備などのため、債務健全化への改革を進めようと新たに設ける特別枠も含め、最大50億ドルの円借款を行うとともに、産業や保健・医療、教育、農業などの幅広い分野で今後3年間で30万人の人材を育成すると説明しました。

一方、ウクライナ情勢をめぐり、岸田総理大臣は「ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為だ。ルールに基づく国際秩序を諦め、力による一方的な現状変更を許せば、影響はアフリカにも世界全体にも広がる」と指摘しました。

そのうえで、ウクライナからの穀物の輸出が妨げられ、アフリカの食料危機がこれまで以上に深刻になっているとして、食料生産体制を強化するため新たに3億ドルの円借款を行う考えを示しました。

AU議長国「重要なのは食料問題での自立」

TICAD=アフリカ開発会議の開会式で、アフリカ側を代表してAU=アフリカ連合の議長国を務めるセネガルのサル大統領が演説し「アフリカの多くの国が新型コロナウイルスとウクライナでの戦争の深刻な影響を受けている」と述べました。

そのうえで「重要なのは食料問題での自立であり、農業生産や輸送などの分野を改善する必要がある」と述べ、アフリカ各地で深まる食料危機への対応が重要な課題だと指摘し、日本からの公的な支援に加えて民間からの投資や技術の移転が進むことに期待を示しました。