日本ハム ポンセがノーヒットノーラン 今季5人目達成 82年ぶり

プロ野球・日本ハムのポンセ投手が27日、札幌ドームで行われたソフトバンク戦でノーヒットノーランを達成しました。
プロ野球でのノーヒットノーラン達成は史上87人目、98回目で、今シーズンは5人目です。また、1シーズンで5人が達成するのは昭和15年の最多記録に並び、82年ぶりです。

ポンセ投手は去年まで大リーグのパイレーツに所属し、今シーズンから日本ハムでプレーしています。

日本ハムではここまで10試合に登板して2勝4敗、防御率3.67の成績で、27日は札幌ドームで初めて先発し、ソフトバンクと対戦しました。

ポンセ投手はツーシームやカットボールを軸にピッチングを組み立て、1回にデッドボールでランナーを出しましたが後続を打ち取り、2回以降もノーヒットピッチングを続けました。

8回にはセンターに抜けそうな打球をショートの中島卓也選手が好プレーで阻止して、ポンセ投手が帽子を脱いでおじぎする姿も見せました。

そして9回は、先頭の8番・ガルビス選手にフォアボールを与えましたが、代打の正木智也選手をライトフライ、1番・今宮健太選手をショートゴロのダブルプレーに打ち取り、ノーヒットノーランを達成しました。

ポンセ投手はデッドボールとフォアボールでランナー2人を出しましたが、28人のバッターと対戦してヒットを1本も許さず、三振を6つ奪いました。

球数は113でした。

プロ野球でのノーヒットノーランは、ことし6月18日にオリックスの山本由伸投手が達成して以来、史上87人目、98回目で、今シーズンでは5人目の達成となりました。

1シーズンで5人がノーヒットノーラン 82年ぶり

1シーズンで5人のピッチャーがノーヒットノーランを達成するのは1リーグ制だった昭和15年以来は82年ぶりで、最多に並びます。

今シーズンは4月10日にロッテの佐々木朗希投手が完全試合でノーヒットノーランを達成し、5月11日にソフトバンクの東浜巨投手、6月7日にDeNAの今永昇太投手、6月18日にオリックスの山本由伸投手が達成していて、日本ハムのポンセ投手は5人目です。

外国人選手がノーヒットノーラン 16年ぶり

プロ野球で外国人選手がノーヒットノーランを達成するのは平成18年にヤクルトのガトームソン投手が達成して以来、16年ぶりです。

ポンセ「緊張で吐きそうになった 天国の母に感謝」

ポンセ投手は「4回か5回にスコアを見てヒットがないことに気づき、意識をした。9回にマウンドに上がる前のウォーミングアップの時に緊張で吐きそうになった。両親の『努力しろ、やり続けることが大事』ということばを思い出した」と話しました。

また、8回のショートの中島卓也選手のファインプレーについては「ありがとう。すばらしいプレーでびっくりした。晩ごはんをおごらないといけないね」と話しました。

そしてノーヒットノーランを達成した瞬間について「天を見上げて天国の母のおかげと感謝しました」と話しました。

新庄監督「緊張した顔を見たら 俺が吐きそうになった」

新庄監督は試合後、ポンセ投手のノーヒットノーラン達成を祝ったあとに会見場に来て「すいません、遅くなって。乾杯していました」と話しました。

ポンセ投手については「9回に横でキャッチボールしている時の緊張した顔を見たら、俺が吐きそうになった。俺が緊張してきて、『頼むよ』と思いながら、見ていた」と笑いながら振り返りました。

また、新庄監督は「すばらしかったですね。一緒にユニフォームを着られて、誇りに思います。自分の子どもが達成したかのような、うれしい気持ちになりましたね。子どもはいないけど」と笑顔で話しました。

一方、この試合でポンセ投手が初めて札幌ドームで登板したことについては「初めての登板でマウンドが合うかなと思っていたけど、合いすぎていた。マウンドの土を持って帰って、顔の横に置いて寝てほしいですね」と話しました。

野手陣については「万波君がホームランを打って中島君の好プレーがなかったらノーヒットノーランは成立しないと思うので、あれが大きかったですね」と振り返りました。

ノーヒットノーラン達成者 相次ぐ要因は?

今シーズン、ノーヒットノーランの達成者が相次いでいる要因について、前中日監督の与田剛さんは、ITツールの活用により投手の技術力が上がったことを指摘しています。

例えば、ITツールの中でよくあげられる「トラックマン」は軍事技術を応用して作られたもので、プロ野球では平成26年から各球団で導入が進められました。

「トラックマン」などの導入により、投手は投球やボールの回転数、球の軌道のほか、投げるときの手首の角度などもデータとして見ることができるようになりました。

こうしたデータを基に、フォームの改善やフォームを作るためのトレーニングなどをすることで、技術や能力が上がってきているといいます。

与田さんは「例えば『ボールの回転数が上がりすぎて変化球が本来狙っているところ以上に曲がってボールになっている』などデータで確認し修正することができる。こうしたことが技術力がアップする要因になっているのではないか」と分析しています。

一方、元日本ハムの田中賢介さんは、投手の技術力が上がったことに加え、打者の評価指標の変化がノーヒットノーランを生み出しやすい環境にさせている可能性があるとみています。

それが出塁率と長打率を足し合わせた「OPS」という評価指標で、数値が高いバッターはよりチームの勝利に貢献しているとされ、近年は「打率」より重視される傾向があると言います。

田中賢介さんは、三振してもいいから長打を打つ。2本のヒットより1本の長打を狙うという打者心理を挙げたうえで「昔で言う1番や2番の打者は、ゴロ、ライナーを打ちながらヒットを確実に打っていたが、今は角度をつけて長打を狙うようなスイングが増えてきている。そうすると、長打は増えるがヒットが出なくなる傾向になる。ノーヒットノーランが出やすい仕組みに今なっているのかもしれない」と話しています。