
落語家 三遊亭金翁さん 四代目 金馬さん死去 93歳
愛きょうのある芸風と独特の“だみ声”で親しまれ、四代目三遊亭金馬として長く活躍した落語家の三遊亭金翁さんが27日未明、亡くなりました。93歳でした。
三遊亭金翁さんは東京都出身で、1941年に12歳で先代の三代目三遊亭金馬に入門し、1958年に真打ちに昇進しました。
腹話術や司会など多彩な才能でラジオやテレビで活躍。
バラエティー番組の元祖と言われたNHKの人気番組「お笑い三人組」に出演し、テレビ放送が始まってまもない時期にお茶の間の人気を集めました。
1967年には四代目金馬を襲名し、先代の芸を継いで「藪入り」や「芝浜」などの古典の大ネタを得意とし、愛きょうのある芸風と独特の“だみ声”で親しまれました。
また、現役の落語家としては最長の芸歴を誇り、去年は芸歴80年の特別講演を都内で開くなど、最近まで活動を続けていました。
関係者によりますと、金翁さんは都内の自宅で倒れ、27日未明、亡くなったということです。
93歳でした。
落語協会会長「金翁師匠のお姿 我々の誇り 教え受け継いでいく」
三遊亭金翁さんが亡くなったことについて、落語協会の柳亭市馬 会長は「81年間、第一線で活躍し続け、落語会を引っ張って来られた金翁師匠のお姿は、後に続く我々の心の支えであり、誇りでした。古典、新作の区別無く、お客様に喜ばれるはなしをする事を第一に考えていました。人情ばなしから滑稽ばなしまで幅が広く、持ちネタの豊富さも随一でした。ご自身の事のみならず、落語会の発展のため、数々の功労がありますが、中でも国立演芸場設立の際の尽力は特筆すべきものです。『お笑い三人組』で一緒に活躍した猫八先生の孫の小猫さんが来春、五代目猫八を襲名する時にはぜひ出演していただきたかったが、かなわず残念です。金翁師匠、本当に長い間、お疲れ様でした。最近まで、前座にまでも稽古をつけてくださいまして、ありがとうございました。師匠の教えはみんなで受け継いでまいります。ごゆっくり、おやすみください」というコメントを出しました。