新型コロナ 新規感染 先週までの減少傾向から一転 全国で増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を25日までの1週間平均で比較すると、全国では1.18倍と先週までの減少傾向から一転して東京都、神奈川県、沖縄県を除いたほとんどの地域で増加し、徳島県や広島県など8つの県では過去最多となりました。

NHKは、各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

▽7月28日までの1週間では、前の週に比べて1.67倍
▽8月4日は1.11倍
▽8月11日は1.02倍
▽8月18日は0.88倍と、減少に転じましたが、
▽8月25日まででは1.18倍と、再び増加しました。

前の週に比べて感染者数が少なくなったのは東京都、神奈川県、沖縄県の3都県だけで、8つの県で、25日時点の1週間平均の新規感染者数が過去最多となっています。

全国の一日当たりの平均の新規感染者数は、およそ22万2000人となっています。

徳島県

人口当たりの感染者数が最も多いのは徳島県で、
▽8月4日までの1週間は、前の週の1.03倍でしたが、
▽8月11日は1.49倍
▽8月18日は1.23倍
▽8月25日までは1.84倍と増加が続き、
一日当たりの新規感染者数は、およそ2218人で過去最多となっています。

人口10万当たりの感染者数は2157.57人と、全国の都道府県で唯一2000人を超え、最も多くなっています。

1都3県

【東京都】
▽8月11日までの1週間は、前の週の0.91倍
▽8月18日は0.82倍
▽8月25日までは0.96倍と、
減少から横ばいとなり、一日当たりの新規感染者数は、およそ2万3309人となっています。

【神奈川県】
▽8月11日までの1週間は前の週の0.91倍
▽8月18日は0.76倍
▽8月25日までは0.97倍と、
減少から横ばいとなり、一日当たりの新規感染者数は、およそ9635人となっています。

【埼玉県】
▽8月11日までの1週間は前の週の0.98倍
▽8月18日は0.74倍
▽8月25日までは1.13倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ9903人となっています。

【千葉県】
▽8月11日までの1週間は前の週の0.92倍
▽8月18日は0.69倍
▽8月25日までは1.21倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ7255人となっています。

関西

【大阪府】
▽8月11日までの1週間は、前の週の1.01倍
▽8月18日は0.84倍
▽8月25日までは1.13倍と増加に転じ、
一日当たりの新規感染者数は、およそ1万8907人となっています。

【京都府】
▽8月11日までの1週間は、前の週の0.97倍
▽8月18日は0.84倍
▽8月25日までは1.14倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ4713人となっています。

【兵庫県】
▽8月11日までの1週間は、前の週の1.12倍
▽8月18日は0.84倍
▽8月25日までは1.17倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ1万736人となっています。

東海

【愛知県】
▽8月11日までの1週間は、前の週の1.05倍
▽8月18日は0.82倍
▽8月25日までは1.27倍と、増加に転じ、
一日当たりの新規感染者数は、およそ1万5269人となっています。

【岐阜県】
▽8月11日までの1週間は、前の週の1.13倍
▽8月18日は0.97倍
▽8月25日までは1.19倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ3811人となっています。

【三重県】
▽8月11日までの1週間は、前の週の1.13倍
▽8月18日は0.93倍
▽8月25日までは1.41倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ3680人となっています。

その他の地域

【北海道】
▽8月11日までの1週間は、前の週の1.10倍
▽8月18日は0.98倍
▽8月25日までは1.04倍で、
一日当たりの新規感染者数は、およそ6715人となっています。

【宮城県】
▽8月11日までの1週間は、前の週の1.03倍
▽8月18日は0.94倍
▽8月25日までは1.29倍と、増加に転じ、
一日当たりの新規感染者数は、およそ3643人となっています。

【広島県】
▽8月4日までの1週間は、前の週の1.45倍
▽8月11日は0.97倍
▽8月25日までは1.45倍と、再び増加し、
一日当たりの新規感染者数は、およそ6560人で過去最多となっています。

【福岡県】
▽8月11日までの1週間は、前の週の0.94倍
▽8月18日は0.85倍
▽8月25日までは1.27倍と、増加に転じ、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1万2485人となっています。

【沖縄県】
▽8月11日までの1週間は、前の週の0.88倍
▽8月18日は0.84倍
▽8月25日までは0.90倍と、減少傾向が続き、
一日当たりの新規感染者数は、およそ3354人となっています。

専門家「夏休み 地方で増加 都市部に戻って増えるか」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は、今の感染状況について、「全国的に増加傾向が見られる。ことしは強い行動制限を伴わない夏休みで、社会経済活動を回しながら、できるだけ感染を抑えるようとしているが、人が動き、接触が活発になって、特に、地方での祭りや、大規模イベントで、残念ながら感染者数が増加している。そうした人が都市部に戻って、さらに感染者が増えるか非常に注意が必要だ。死亡者は一日300人を超える人数が報告されていて、全体として『第6波』を超えることを覚悟しなければならない」と述べました。

学校が再開することについては「学校が始まると、子どもたちの間でもう一度、感染が広がり、家庭や職場、医療機関や介護施設へと感染が連鎖するリスクが高まる。子どもを含めて、ワクチンを打てる人は早めに接種しておくことや、感染リスクが高まることを一人ひとりが意識して、基本的な感染を徹底することが大切だ。かぜかなと思ったら、新型コロナへの感染を疑うことや、体調が悪ければ自宅で休むことが原則だ」と述べ、注意を促しました。

また、各地で医療体制がひっ迫する中、感染者の全数把握の見直しが行われることについて、舘田教授は「医療や保健所の体制に余裕がない地域では、メリハリをつけた対策に移行していくことは大事だ。重症化リスクがない人でも、症状が悪化する人が出てくる可能性があるので、しっかりとフォローアップできる仕組みを確立しながら活用することが大事になる」と指摘しました。