核拡散防止条約 再検討会議 修正草案示されるも合意は不透明

NPT=核拡散防止条約の再検討会議では、「最終文書」の修正草案が示され、当初の草案にあった核保有国に「核の先制不使用」の政策をとるよう求める内容が削除されるなど、各国の対立を踏まえ一部の表現が弱められました。
ただ、修正草案の内容にも変更を求める国もあり、会期末が26日に迫る中、合意できるかどうかは依然として不透明です。

ニューヨークの国連本部で今月1日から開かれているNPTの再検討会議では、25日に合意を目指す「最終文書」の修正草案が議長から各国に示されました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で核の脅威が高まる中、修正草案では、核兵器の保有国が非保有国に対して核の使用や威嚇を行わないと約束することが盛り込まれていますが、当初の草案にあった核保有国に「先制不使用」の政策をとるよう求める内容が核保有国や核抑止力に頼る国々の反対で削除されました。

また、ロシア軍が掌握し砲撃が相次いでいるウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所について、当初の草案ではロシアによる管理からウクライナ当局の管理下に戻すよう求めていましたが、ロシアの反発を受け修正草案ではウクライナ当局による管理の重要性を確認する表現にとどめられました。

会議では25日、修正草案をもとに非公開の全体会合や個別の2国間交渉などが断続的に行われましたが、修正草案の内容は不十分だとして変更を求めている国もあるということで、26日の最終日に合意できるかどうかは依然として不透明です。