公立小学校教員の残業代訴訟 2審も原告の訴え退ける 東京高裁

教員の働き方が問題となる中、埼玉県内の公立小学校の教諭が長時間労働を不当に強いられたとして、県に残業代の支払いを求めていた裁判で、2審の東京高等裁判所は「繁忙期には法定の労働時間を超過しているが、その状況が常態化していたとはいえない」と判断し、1審に続いて訴えを退けました。

公立学校の教職員の給与は、月給の4%分が上乗せされる代わりに、残業代は支給されないことが法律で定められています。

埼玉県内の公立小学校に勤務する60代の男性教諭は「法律では時間外や休日の勤務は、実習や学校行事などでやむをえない場合に限られているのに、緊急性のない業務を校長に命じられて行った」と主張して、県に時間外勤務の賃金などを支払うよう求めました。

25日の2審の判決で東京高等裁判所の矢尾渉裁判長は「教員の業務は自発的なものと、校長の命令に基づくものがこん然一体となっているため、一般の労働者と同様の賃金制度はなじまない」と指摘しました。

そのうえで「校長が授業の進め方などについて、具体的な指示をしたことはなく、学期末などの繁忙期には法定の労働時間を超過しているが、その状況が常態化していたともいえない」として、無制限の時間外労働を防止する法律の趣旨にも反しないと判断し、1審に続いて訴えを退けました。

原告は上告の意向「世の中の人に考えてもらいたい」

判決のあと記者会見した教諭の男性は「現場では勤務時間内に終わらない仕事が次から次へと命じられている。テストの丸つけや授業の準備は労働にあたるはずなのに、判決では自発的なものだと判断されてしまった。このままでよいのか世の中の人に考えてもらいたい」と訴えました。

また、教諭の弁護士は「判決は教員の業務の特殊性を重視して違法性は無いと判断したが、教員にとっては不利益で、不当だ」として、最高裁判所に上告する意向を明らかにしました。

一方、埼玉県の高田直芳教育長は「県の主張が認められたと考えている」とするコメントを出しました。