NPT再検討会議 ウクライナ情勢で対立 歩み寄れるか予断許さず

世界の核軍縮の方向性を協議するNPT=核拡散防止条約の再検討会議は、ウクライナ情勢をめぐり対立が続いていて、会期が残り2日となる中、議長が示す「最終文書」の修正草案をめぐって各国が歩み寄れるのか、予断を許さない情勢です。

ニューヨークの国連本部で今月1日から開かれているNPTの再検討会議では、24日に合意を目指す「最終文書」について非公開の全体会合が開かれたほか、個別の2国間交渉なども断続的に行われました。

交渉を受けてスラウビネン議長は、これまでに示した「最終文書」の草案を一部修正したうえで、改めて各国に示す方針です。

これまでの草案では、核保有国に「核の先制不使用」の政策をとるよう求める内容や、NPTと核兵器禁止条約の関係をどう定めるかなどをめぐって、各国の対立が続いています。

さらに草案は、ロシア軍が掌握し攻撃が相次いでいるウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所について、ウクライナ当局の管理下に戻すよう求めていて、ロシアが強く反発しています。

会議ではこのあと修正草案をもとに大詰めの交渉が行われますが、各国の対立は根深く、残る2日間の会期で歩み寄ることができるのか予断を許さない情勢です。

NPTの再検討会議は前回7年前も最終文書を採択できず、今回も合意に至らなければ世界の核軍縮がさらに停滞するのは避けられないだけに、交渉の行方に関心が高まっています。