新型コロナ感染者の全数把握見直し 厚労相「緊急的な措置」

新型コロナ感染者の全数把握の見直しをめぐって、加藤厚生労働大臣は、報告を重症化リスクが高い人に限定できる今回の措置は、現場の事務負担を軽減する緊急的な措置だとする一方で、引き続き医療提供体制の充実にも取り組む考えを示しました。

参議院厚生労働委員会は25日、閉会中審査を開き、都道府県の判断で新型コロナ感染者の報告の対象を、高齢者など重症化リスクが高い人に限定できるようにする全数把握の見直しなどをめぐって審議が行われました。

この中で、立憲民主党は「報告の事務作業が大変な地域は医療がひっ迫し、保健所を含む医療提供体制が問題になっており、こうした地域を支援していくべきではないか」とただしました。

これに対し加藤厚生労働大臣は「事務作業が大変なので一日も早く対応してほしいという声があり、緊急的に負担を軽減することで今回の措置をとった」と述べました。

その一方で「医療の供給量そのものを増やしていくことは指摘のとおりだ。これらの対応だけでなく、さらに医療面の充実にも引き続き取り組んでいきたい」と述べました。

また、重症化リスクが高い人以外への対応について「健康フォローアップセンターなど、感染者がしっかり相談できる体制を、自治体と連携して構築していきたい」と述べました。

一方、審議の中で、旧統一教会との関係をめぐって関連団体のイベントに加藤大臣が送ったメッセージの内容などから「旧統一教会の活動を理解していたのではないか」と問われ、加藤大臣は「一つ一つのメッセージをチェックしているわけではないが、最終的な責任が私にあることは当然のことだ」と述べました。

山際新型コロナ対策相「現場の負荷取り除くのが目的」

山際新型コロナ対策担当大臣は記者会見で、コロナ感染者の全数把握の見直しについて「医療現場や保健所機能の負荷を少しでも取り除きたいというのが目的だ。まずは、それをやり、これから先、ウィズコロナに向けてさまざまな施策を打っていく準備をするようにというのが岸田総理大臣からの指示だと受け止めているので、きちんとスケジュールを決めながら、前に進めていきたい」と述べました。