東京都 公立の一部小中学校で2学期の始業式

東京都内の一部の公立の小中学校は25日から2学期が始まり、新型コロナウイルスの感染状況が収まらない中、元気に登校する子どもたちの姿が見られました。

このうち全校児童およそ330人の新宿区の西新宿小学校では夏休み明けの児童たちが登校し、久しぶりに会う友達どうしがうれしそうに話をしていました。

始業式は校庭で行われ、長井満敏校長が「学校行事にも積極的に取り組みながら、手洗いなど基本的な感染症対策を徹底してほしい」と呼びかけました。

子どもたちは感染症対策として手を洗ってそれぞれの教室に戻り、1年生のクラスでは自由研究や読書感想文などを提出したあと、海に行ったことや友達とサッカーをしたことといった夏休みの思い出を披露していました。

男の子の児童は「家族で行った潮干狩りが楽しかったです。100個から200個くらい採りました」と話していました。

女の子の児童は「できるだけマスクをつけながら遊んでいました。2学期は苦手な国語を頑張りたいと思います」と話していました。

長井校長は「夏休みに入るころからコロナの感染者数が増えてきていたので心配していましたが、大きく体調を崩す子どもがいなくてよかったです。2学期は感染症対策をしながら、小学校でしかできないことをたくさん経験してほしいです」と話していました。

夏休み明けの学校の感染対策は 医師に聞く

夏休み明けの学校の感染対策について、感染症に詳しい東京 千代田区にある「グローバルヘルスケアクリニック」の水野泰孝医師に聞きました。

水野医師は千代田区から依頼をうけて、学校現場での感染対策のポイントをアドバイスする動画の作成にも協力しています。

水野医師は子どもたちの感染状況について「ことしは行動制限のない夏休みで、いろんなイベントに参加したり、旅行に行ったりふだん会わない人との接触の機会があり、感染リスクが高い状況だった」としたうえで「学校の再開で子どもたちが集まる環境になるが、学校の管理のもとで1日の大半を過ごすので、必ずしも感染が広がる要因にはならないのではないか」としています。

そして、具体的な感染対策として取り組むべきことについて、教室で冷房を使う際、窓を閉めきることが多いが、声を出す場面などでは適宜、換気すること、部活動の前後に使う更衣室など、狭くて換気がしにくいところでは、マスクの着用を徹底することなどをあげています。

そのうえで「感染対策の正解は一つではなく、リスクに応じて、感染対策を強化したり緩めたりする、あるいは全くしないということがあってもいいと思う。その場面、場面ごとに相談し、学校では子どもたちにしっかり教えてあげるのが重要だ。学校行事などは一律に中止するのではなく、どうしたら感染を広げずに実施できるかという方向で考えてほしい」としています。