火山噴火予知連 新体制運用へ 3つの検討会立ち上げなどの案

全国の火山活動の評価や研究を長期的に進めるための体制などについて検討してきた火山噴火予知連絡会の作業部会は、大規模な災害の発生が懸念される際の活動評価など役割に応じた3つの検討会を立ち上げるとする新たな案を取りまとめました。
国立大学などで人員や施設のぜい弱化が進む中、火山防災の中心的な役割を果たしてきた予知連の運営の効率化が課題となっていて、来年度の運用開始に向けて今後具体的な検討を進めることになります。

火山噴火予知連絡会は、火山の活動評価や研究成果の情報交換を行う目的で1974年に設立され、国立大学や研究機関の火山学者が参加する気象庁の諮問機関です。

1986年の東京 伊豆大島や2000年の北海道 有珠山の噴火では、観測データをもとに噴火の可能性を検討し、住民の避難につながる助言も行うなど火山防災の中心的な役割を担ってきました。

しかし、2004年の国立大学の法人化以降、各大学では研究者の定員が抑制されたほか、火山観測施設の維持経費が3分の2に削減されるなどして人材の確保や施設の維持管理が困難となり、予知連に参加する火山学者の負担が増える状況が続いています。

一方、気象庁では、戦後最悪の火山災害となった2014年の御嶽山の噴火をきっかけに人員や機器など観測体制が強化され、法律に基づいた噴火警報を発表する仕組みが導入されました。

過去の噴火事例をもとにした噴火警戒レベルの運用は、必ずしも予知連の研究者の助言を求めずに行う体制が整っています。

こうした中、火山活動の評価や研究を長期的に進めるための検討を続けてきた予知連の作業部会は24日、最終報告を公表しました。

それによりますと、大規模噴火が予想される際に研究者と行政機関が協力して活動評価を行うことや、平常時に気象庁が主体となって火山活動の評価を行うこと、火山防災に関する情報交換や研究の推進を行うことの3つの役割に応じた検討会を設置することを提言しています。

火山噴火予知連では、来年度の運用開始に向けて今後、具体的な検討を進めるとしています。

作業部会で主査を務めた東京大学の森田裕一名誉教授は「予知連を取り巻く状況が大きく変化する中で、従来の方針で継続することが合理的でなく、難しくなっている。一方、火山噴火は頻度が非常に低くこれまで経験の無いことが起きる可能性が高いため、気象庁や研究者が協力し合ってオールジャパンの体制で対応していく必要がある」と話しています。