砲撃相次ぐザポリージャ原発 国連安保理で双方が互いを非難

ロシア軍が掌握するザポリージャ原子力発電所で砲撃が相次いでいることについて国連の安全保障理事会で緊急の会合が開かれ、ロシアとウクライナは砲撃は相手側によるものだと主張して互いを非難しました。

ロシア軍が掌握するウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所では今月、砲撃が相次いでいて、原発の安全への懸念が高まっています。

これについて国連安保理では23日、緊急の会合が開かれ、国連のディカルロ事務次長が「毎日のように憂慮すべき事件が報告されている。さらに激しくなれば、大惨事に直面するおそれがある」と述べ、現地の状況を調査するIAEA=国際原子力機関の専門家チームを受け入れるようロシアとウクライナの双方に求めました。

このあと、会合を要請したロシアのネベンジャ国連大使は、砲撃はウクライナ軍によるものだと改めて主張したうえで、アメリカがウクライナに供与した武器も攻撃に使われたと述べました。

これに対してウクライナのキスリツァ国連大使は「大胆にもロシアはみずから安保理会合を要請し、自らのテロ行為を議論している」と述べ、砲撃はロシアによるものだと改めて非難しました。

一方、IAEAの現地調査については、ロシアとウクライナの双方が協力する姿勢を示し、今後、専門家チームの通行ルートなどで両者が合意し、調査が実現するかどうかが焦点となります。