死者数過去最多に専門家「感染のピーク見えず さらに増加も」

23日、全国で報告された新型コロナウイルスによる死者数は343人と、これまでで最も多くなりました。
専門家は「まだ感染のピークは見えず、死者数は今後も増加するおそれがある」と警戒を呼びかけています。

新型コロナウイルスによる死者数は、いわゆる感染の第7波が始まって以降増加傾向が続き、全国で一日に報告される死者数はこの1週間、200人を超える状態が続いています。

そして23日報告された死者数は343人と、第6波のピークだったことし2月下旬の322人を超えてこれまでで最も多くなりました。

政府分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は「第7波では一日の感染者数が最大でおよそ26万人と、第6波のピークを大きく上回っており、死者の数が最多を更新してしまうことは残念ながら想定されていた」としたうえで、「今回の波では連日20万人を超える感染者が報告され、いまだに感染のピークが見えない。過去の波では感染者数のピークから遅れて死者数のピークがやってきたことを考えると、亡くなる人の数は今後も増える可能性がある。一日も早く感染者数を減らす方向に持っていくことが重要だ」と指摘しました。

さらに、舘田教授は「若い健康な人たちの重症例や死亡例は少なくなっているが、感染者が爆発的に増え、高齢者や基礎疾患のある人にも感染が広がれば、どうしても亡くなる人は増えてしまう。こうした現実をいま一度思い起こして基本的な感染対策を徹底してほしい」と呼びかけました。