侵攻半年 ウクライナ大統領府顧問「国境線を完全に回復する」

ロシアによる軍事侵攻が始まってから半年となるのに合わせてウクライナのポドリャク大統領府顧問がNHKの単独インタビューに応じ、欧米の軍事支援を受けるウクライナ側が領土の奪還に向けて攻勢をかける局面に入っているという認識を示しました。
そのうえで、奪還を目指す領土にはロシアに一方的に併合されたクリミアも含まれると強調し、さらなる兵器の供与が必要だと訴えました。

ウクライナのポドリャク大統領府顧問は23日、首都キーウでNHKの単独インタビューに応じました。

このなかでポドリャク氏は、ウクライナ軍はアメリカなど欧米から供与された兵器を使って、ロシア軍の弾薬や燃料庫、それに戦術的な指揮拠点などを重点的に破壊し撤退に追い込む作戦を進めていると明らかにしました。

そのうえで「戦いは、国際的に認識された国境線を完全に回復するために行われている」と述べ、戦況はウクライナ側が領土の奪還に向けて攻勢をかける局面に入っているという認識を示しました。

さらに、ロシアに8年前に一方的に併合されたクリミアで今月相次いだ爆発や攻撃について、ウクライナ側の直接的な関与があったかどうかは「認められない」としながらも「クリミアで行う軍事作戦も南部などで進めているものと同じものとなることを示している」と述べ、奪還を目指す領土にはクリミアも含まれると強調しました。

一方、ポドリャク氏は、ロシアは長距離砲やロケット砲を大量に保有しているため火力で差をつけられているという認識を示し「高機動ロケット砲システム=ハイマースが50基追加で供与されたりすれば領土を奪還するスピードはかなり早まるだろう」と述べ、欧米からさらなる兵器の供与が必要だと訴えました。