
【詳しく】名古屋高速 バス横転 その時何が? 脱出した乗客は
22日、名古屋市の名古屋高速道路でバスが横転し炎上した事故で、その後の警察の捜査などで、事故が起きるまでのバスの動きや炎上したバスから乗客がどのように脱出したか、徐々に分かってきました。
詳しくまとめます。
バスの乗客と運転手 計8人のうち2人が死亡
22日午前10時過ぎ、名古屋市北区の名古屋高速道路で、市中心部から県営名古屋空港に向かっていたバスが横転して炎上し、バスに乗っていた乗客と運転手あわせて8人のうち2人が死亡したほか、乗客6人と後続の乗用車を運転していた男性1人のあわせて7人がけがをしました。
名古屋市中心部から県営名古屋空港に向かう途中

横転したバスは22日午前10時過ぎ、名古屋市北区の名古屋高速道路を市中心部から県営名古屋空港に向かっていました。
事故現場は、名古屋高速道路の本線と「豊山南出口」へと続く車線が分かれる場所でした。
運行会社によりますとバスは目的地の空港に向かうためこの出口で高速道路を降りる予定だったということです。
事故現場は、名古屋高速道路の本線と「豊山南出口」へと続く車線が分かれる場所でした。
運行会社によりますとバスは目的地の空港に向かうためこの出口で高速道路を降りる予定だったということです。
バスは出口に向かう右側の車線を走行

ほぼまっすぐな2車線の本線に事故現場の200メートルほど手前から一番右側に出口へと続く車線が増えて3車線となります。
関係者によりますと、バスはこの一番右側の車線に入って出口に向かって走行していたということです。
関係者によりますと、バスはこの一番右側の車線に入って出口に向かって走行していたということです。
出口手前で左側に進み 分離帯と衝突か

しかし、出口の手前で左側の本線の方に進み始め、間にあった分離帯に衝突したということです。
ブレーキの痕はなく 本線側に横転し炎上

現場にはブレーキの痕がなく、急なハンドル操作をする様子もないまま、分離帯に衝突して本線側に横転し、炎上したということです。
バスの3台後ろを走っていた車から撮影
当時、バスの3台後ろを走っていた車を運転していた男性が、事故直後の様子を撮影した映像です。横転したバスの前方部分から、黒い煙や炎が出ている様子が確認できます。
映像では、別の車に乗っていたとみられる男性が、煙が出ている部分に消火器を吹きかけている様子も確認できますが、火の勢いは収まることなく、より激しく燃え上がる様子が写されています。
映像では、別の車に乗っていたとみられる男性が、煙が出ている部分に消火器を吹きかけている様子も確認できますが、火の勢いは収まることなく、より激しく燃え上がる様子が写されています。

撮影した男性「そのままのスピードで突っ込んだように見えた」
撮影した男性によりますと、バスは横転して1分ほどのちに火が出たということです。
男性は「事故が起きるまでは、ほかの車に変わった様子もなく道もよく流れていた。バスは方向を変えたり、減速したりすることなく、そのままのスピードで、分離帯に突っ込んでいったように見えた。当時は火炎がものすごく、消火器で火を消そうとした人以外は、近づくことが難しい様子だった」と話していました。
男性は「事故が起きるまでは、ほかの車に変わった様子もなく道もよく流れていた。バスは方向を変えたり、減速したりすることなく、そのままのスピードで、分離帯に突っ込んでいったように見えた。当時は火炎がものすごく、消火器で火を消そうとした人以外は、近づくことが難しい様子だった」と話していました。
横転で乗降口ふさがれ 逃げにくい状況か

バスの運行会社「あおい交通」は記者会見で、事故が起きたバスは、左に倒れる形で横転し、車両の左側にある乗降口がふさがれたうえ、右側に設置されている非常口も上を向いたため、車内からは逃げにくい状況だったとみられると説明しました。
6人は後部の窓付近から脱出

警察によりますとバスに乗っていた乗客と運転手あわせて8人のうち助かった乗客6人は事故の直後に横転したバスの後部の窓の付近から外に脱出したことが高速道路にあるカメラの映像などから確認できたということです。
後部の窓が衝撃で割れたのか、乗客たちが割ったのかはわかっていないということです。また乗客が脱出した際には、バスの前方から煙があがっていたものの、炎は確認できなかったということです。
後部の窓が衝撃で割れたのか、乗客たちが割ったのかはわかっていないということです。また乗客が脱出した際には、バスの前方から煙があがっていたものの、炎は確認できなかったということです。
近くの車の人たちも救助手助けか
さらに現場近くに止まった車に乗っていたとみられる複数の人たちがバスに近づいていく様子も写っていて、脱出を手助けしようとしたとみられるということです。
消防到着時には壁面付近に避難

一方、名古屋市消防局によりますと、乗客6人は消防が到着した際にはすでにバスの外に出ていて、高速道路の壁面付近に避難して救助を待っていたということです。
運転手の55歳の男性とは連絡がとれておらず、警察は遺体の身元の確認を進めています。
警察は事故当時、運転手の体調などに異変がなかったか捜査するとともに、23日の捜索で押収した資料を詳しく分析して、運転手の勤務実態などについても調べることにしています。
警察は事故当時、運転手の体調などに異変がなかったか捜査するとともに、23日の捜索で押収した資料を詳しく分析して、運転手の勤務実態などについても調べることにしています。
バス車両からの脱出や火災への対策は
国土交通省によりますとバスの車両の安全対策については「道路運送車両の保安基準」でさまざまな項目ごとに定められています。
このうち事故の際、車外への脱出に使う非常口については、通常、左前方にある出入り口から離れた▽車体の真後ろ側か▽右後ろ側に最低1か所設けるよう決められています。
非常口は万が一、火災や衝突などの非常事態が起きた際に、鍵や特別な器具を使わずに車内と車外の両方から開けることができる外開きの扉を備えることになっています。ただ、窓をたたき割るためのハンマーなどを車内に装備することは定めていないということです。
また、車両火災への備えについても同じ保安基準に定められています。▽バスの座席や車内の内装などには難燃性という燃えにくい素材を使用することが求められているほか、▽消火器については運転者や助手などが使用するのに便利な場所に備えるよう決められています。
このうち事故の際、車外への脱出に使う非常口については、通常、左前方にある出入り口から離れた▽車体の真後ろ側か▽右後ろ側に最低1か所設けるよう決められています。
非常口は万が一、火災や衝突などの非常事態が起きた際に、鍵や特別な器具を使わずに車内と車外の両方から開けることができる外開きの扉を備えることになっています。ただ、窓をたたき割るためのハンマーなどを車内に装備することは定めていないということです。
また、車両火災への備えについても同じ保安基準に定められています。▽バスの座席や車内の内装などには難燃性という燃えにくい素材を使用することが求められているほか、▽消火器については運転者や助手などが使用するのに便利な場所に備えるよう決められています。