スズキ本社食堂で14人が体調不良訴える 一酸化炭素中毒か

23日昼すぎ、静岡県浜松市にある自動車メーカー「スズキ」の本社の食堂で、ちゅう房にいた14人が体調不良を訴え、病院に搬送されました。
現場からは一酸化炭素が検知されたということで、警察と消防は一酸化炭素中毒の疑いがあるとみて、詳しい状況を調べています。

23日午後1時前、浜松市南区にある「スズキ」の本社の食堂で、「一酸化炭素中毒が発生しているようで、複数の人が倒れている」と従業員から消防に通報がありました。

警察や消防によりますと、食堂のちゅう房にいた50人余りのうち、これまでに、浜松市内に住む20代から70代の男女14人が体調不良を訴えて市内の病院に搬送されました。

消防によりますと、このうち2人は一時、意識がもうろうとした状態になりましたが、その後、2人とも意識が回復したということです。

また、警察によりますと14人は、いずれも、ちゅう房の中で食器などを洗う洗浄室の近くにいたということです。

スズキによりますと、現場の食堂は本社の北館1階にあり、14人は、いずれも食堂の運営を委託していた会社の従業員だということです。

消防の調査で、現場からは一酸化炭素が検知されたということで、警察と消防は一酸化炭素中毒の疑いがあるとみて、詳しい状況を調べています。

新型コロナ前は一日当たり数千人が利用

スズキによりますと、現場の食堂は本社の北館1階にあり、給食事業を行っている東京の会社に運営を委託して、午前11時25分から午後2時まで営業を行っているということです。

おととしの新型コロナウイルスの感染拡大前には、一日当たり社員など数千人が利用していましたが、現在はテレワークなどの影響で大幅に利用者が減っているということです。

消防「一酸化炭素を検出」

浜松市消防局南消防署の吉岡邦人副署長が報道陣の取材に応じ、「事故が起きた時にはちゅう房には55人がいて、救急隊が現場に到着した時には全員が屋外に待避した状態だった」と説明しました。

そのうえで「室内にどのようなものが充満しているか分からないため、測定しながら入ったところ、一酸化炭素が検出されたため、消防として一酸化炭素が原因とみて活動している」と話していました。

スズキ「原因究明には全面的に協力」

今回の事故を受けてスズキは「多くの皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます。今後、消防などの現場検証や原因究明には全面的に協力してまいります」とのコメントを出しました。

スズキによりますと、24日は食堂の営業を取りやめ、その後も原因が判明するまでは営業しない方針だということです。

一酸化炭素“無色透明で無臭” その特徴は

一酸化炭素が呼吸で体のなかに取り込まれると、血液中で酸素を全身に運ぶ働きがある「ヘモグロビン」に結び付いて、酸素が体に行き渡るのを妨げます。

これによって酸素不足に陥り、さまざまな症状が出るのが「一酸化炭素中毒」で、軽度の頭痛や吐き気などから始まり、その後、意識を失ったり死亡したりする危険があります。

空気中の一酸化炭素の濃度や吸い込む時間によって症状は大きく変わってきます。

東京消防庁の資料によりますと、
▽空気中の濃度が0.02%から0.03%の場合、5、6時間吸い込むと頭痛や耳鳴りなどの症状が出ます。
▽0.07%から0.1%では3、4時間で呼吸や脈拍が早くなるなどし、やがて意識障害が出てくるとされています。
▽0.11%から0.15%では1時間半から3時間で、浅い呼吸と深い呼吸を繰り返すなど呼吸がおかしくなり、けいれんを起こしたり意識を失ったりします。

さらに濃度が上がって
▽0.16%から0.3%になると、1時間から1時間半で呼吸や心臓の動きが弱くなり、血圧が低下して時には死亡することがあり、
▽0.5%から1%になると、わずか1、2分でも、呼吸ができなくなって、死に至るとされています。