日野自動車 小型トラックでも新たな不正 出荷停止

日野自動車が排ガスなどの不正なデータを国に提出していた問題で、会社側は国土交通省の立ち入り検査で新たな不正が見つかったと発表しました。これを受けて主力の小型トラックの出荷を新たに停止し、日野自動車は国内向けのほぼすべてのトラックで出荷を停止する異例の事態となっています。

日野自動車の一連の不正問題では、排ガスなどの不正なデータを少なくとも2003年からおよそ20年にわたって国に提出していたことが明らかになり、国土交通省が今月3日から立ち入り検査を行って実態の解明を進めています。

発表によりますと日野自動車は、立ち入り検査での国土交通省からの指摘で、新たな不正が見つかったということです。

小型エンジンの認証取得にかかわる排ガスの測定試験で定められた測定の回数に満たないまま、国への申請を行っていたことが分かり、日野自動車は、対象となる小型トラックの「日野デュトロ」について、22日から出荷を停止したとしています。

不正の対象となる台数は、2019年の販売開始以降のおよそ7万6000台に上るということです。

一方で、リコールについては、国が定める排ガスの規制値を超えていないとして、現時点では考えていないとしています。

また、今回の出荷停止によって、国内に2つある組み立て工場で出荷できなくなる車の割合はおよそ6割に上るということで、工場の従業員については、設備のメンテナンスなどに当たらせるとしています。

一連の不正問題で、日野自動車は大型と中型のトラックの出荷をすでに停止していますが、今回の新たな不正を受けて、国内向けのほぼすべてのトラックで出荷を停止する異例の事態となっていて、出荷再開の見通しはたっていないとしています。

小木曽社長「大変重大かつ深刻で弁解の余地ない」

オンラインで記者会見した日野自動車の小木曽聡社長は、国土交通省の立ち入り検査の結果小型トラック用のエンジンで新たに不正が見つかったことについて、「特別調査委員会および自社の調査検証結果をご報告したあとに、国土交通省からの指摘で追加の不正行為が判明したことは、大変重大かつ深刻であり、弁解の余地もございません」と述べました。

そのうえで、「関係者の皆様の信頼を再び損なうことになったこと、および皆様に多大なご迷惑をおかけすることを改めまして深くおわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」と述べ、改めて陳謝しました。

2つの工場で出荷停止“約6割” 内訳は

日野自動車は、新たな不正が見つかったことを受けて、国内に2つある組み立て工場で出荷できなくなる車の割合がおよそ6割に上ることを明らかにしました。

内訳をみますと、
▽大型と中型のトラックを生産する茨城県の古河工場では、出荷停止の割合は全体の75%、
▽小型トラックを生産する東京の羽村工場では51%に上るということです。

会社は、引き続き2つの工場で、海外向けのトラックやトヨタのエンジンを搭載したトラックなどの生産、出荷を続ける一方、一部の生産ラインが停止する影響を踏まえて、従業員については、設備のメンテナンスなどにあたらせるとしています。

トヨタ 日野自動車に生産委託のトラック出荷停止

日野自動車で新たに見つかった不正を受けて、トヨタ自動車は、日野自動車に生産を委託している小型トラックの「ダイナ」と「トヨエース」の一部のタイプについて、22日から出荷を停止したことを明らかにしました。

対象となる車種は、2019年5月から日野自動車の羽村工場で生産され、これまでの生産台数はおよそ1万9000台だということです。

新たな不正が見つかったことについて、トヨタ自動車の豊田章男社長は「日野自動車の新たな不正の発覚は、親会社としても、株主としても極めて残念に思います。日野自動車がステークホルダーの皆さまの信頼に足る企業として生まれ変われるのか注視し、見守ってまいりたい」とコメントしています。