NPT会議は最終週 大詰めの交渉 最後まで難航の予想

世界の核軍縮の方向性を協議するNPT=核拡散防止条約の再検討会議は、4週間にわたる会期の最終週に入り、大詰めの交渉が始まります。

核兵器が使用されるリスクを減らす取り組みのほか、ロシア軍が掌握するザポリージャ原子力発電所の安全の確保などをめぐって各国の対立が続いていて、交渉は最後まで難航することが予想されます。

ニューヨークの国連本部で今月1日から開かれているNPTの再検討会議は、4週間にわたる会期のうち22日から最終週に入り、今後の世界の核軍縮の方向性を示す「最終文書」の作成に向けて大詰めの交渉が始まります。

会議はこれまで、核軍縮、核の不拡散、核の平和利用の3つの委員会に分かれて協議が行われてきましたが、いずれも「最終文書」の草案をめぐって各国の対立が続いています。

草案は、核兵器が使用されるリスクを減らすため、核保有国に対して「核の先制不使用」の政策をとることや、非保有国への核の使用や威嚇を行わないことなどを求めていましたが、すでに一部の国の要請を受け表現が弱められました。

また草案は、ロシア軍が掌握するウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所について、ウクライナ当局の管理下に戻すよう求めていますが、ロシアが強く反発しています。

このほか、ことし6月に初めての締約国会議が開かれた核兵器禁止条約とNPTとの関係をどう定めるかなどについても対立が続いていて、交渉は最後まで難航することが予想されます。