クリミアで爆発や攻撃相次ぐ 他地域の戦況に影響の可能性も

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部のクリミアでは、軍事施設での爆発や攻撃が相次ぎ緊張が高まっています。
今後、ロシア側が防衛強化のために前線から一部の部隊をクリミアに配置することも考えられると指摘されるなど、ほかの地域の戦況に影響を与える可能性も出ています。

軍事侵攻を続けるロシアは、ウクライナ東部や南部を中心に攻撃を続けていて、東部ドネツク州のキリレンコ知事は21日、ロシア軍による攻撃で州内で4人が死亡したと発表しました。

また、南部オデーサ州では、ロシア軍によるミサイル攻撃で穀物倉庫が被害にあったということです。

一方で、ロシアが8年前に一方的に併合をした南部のクリミアでは、ロシア軍の軍事施設での爆発や攻撃が相次いでいます。

20日には、軍港都市セバストポリで、ロシア軍の黒海艦隊の司令部が無人機で攻撃されたとロシア側が発表し、無人機は司令部の上空で撃墜されたと主張しています。

また、けが人などは出ていないとしています。

この無人機による攻撃についてウクライナ政府は、これまでのところコメントしていません。

こうした中、イギリス国防省は20日「ロシアの前線の背後で爆発が相次ぎ、南部での後方支援を圧迫しているかもしれない」と分析しました。

またアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は20日、ロシア側がクリミアの警備強化を検討している可能性が高いと指摘しています。

そのうえで、防衛強化のためウクライナの前線からロシアの治安部隊の一部をクリミアに配置することも考えられるとしていて、クリミアでの情勢がほかの地域の戦況に影響を与える可能性も出ています。