高校野球 仙台育英と下関国際 あすの決勝に向け最後の調整

夏の全国高校野球は22日に決勝が行われます。
決勝進出を決めた宮城の仙台育英高校と山口の下関国際高校が21日、決勝に向けて甲子園球場で最後の調整を行いました。

仙台育英 東北勢として初優勝を目指す

仙台育英高校は、東北勢として春夏を通じ、初めての優勝を目指します。

仙台育英は夏の全国高校野球で史上初めて東北勢どうしの対戦となった20日の準決勝で、福島の聖光学院に18対4で大勝し、7年ぶりに決勝に進みました。

休養日の21日、午前10時ごろから甲子園球場で練習を行い、山口の下関国際高校と対戦する22日の決勝に向けて最後の調整をしました。

球場は、20日夜に降った雨の影響でグラウンドで練習ができませんでしたが、須江航監督が選手たちを集め、ランナーや打球をイメージして、入念に走塁の確認をしていました。

このあと、選手たちは外野の芝生でキャッチボールを行い、20日の準決勝で登板がなかったエースの古川翼投手など140キロ台のストレートを投げる5人のピッチャーが力強いボールを投げ込んでいました。

また、室内練習場では、下関国際の古賀康誠投手と仲井慎投手を想定して、2人と投げ方やボールの球速が似ている控えピッチャーを相手にバッティング練習を行ったということです。

仙台育英 佐藤主将「歴史を変えてやるんだという気持ちで」

仙台育英高校のキャプテン、佐藤悠斗選手は22日の決勝に向けて「いつもどおりにできれば、勝利は見えてくると思います。県大会から一戦必勝でやってきて、これまで東北勢が優勝できていないので、いちばん大きなチャンスはことししかないと思います。歴史を変えてやるんだという気持ちで試合に臨みます」と意気込みを話しました。

仙台育英 須江監督「東北代表として地元の思いを背負って戦う」

仙台育英高校の須江航監督は21日の練習でのチームの状態について「選手たちは興奮しすぎることもなく、あすが甲子園の決勝とは思えない、いつもどおりの雰囲気で練習できました」と話していました。

また、下関国際高校と対戦する22日の決勝について「互いに粘り強さが持ち味のチームなので、これまででいちばん苦しい試合になると思います。選手たちが疲れてくる後半まではあまりチャンスがないと思うので、そこまでなんとか粘って諦めずに戦いたいです」と話していました。

そして、東北勢として春夏を通じ、初めての優勝を目指す22日の試合への意気込みとして「これまで東北地方のたくさんのチームと試合をさせてもらって、決勝の舞台に立つことができました。あすは東北の代表として、地元の皆さんの思いを背負って戦いたいです」と話しました。

下関国際高校 山口県勢として64年ぶりの優勝を目指す

山口県勢としては64年ぶりの優勝を目指す下関国際高校は21日、午前11時半すぎから甲子園球場で練習を行いました。

選手たちは昨夜降った雨のため、外野の芝生でランニングを行ったあとバッテリーと内野手、それに外野手にわかれて順番にキャッチボールをして調整していました。

この大会で4試合すべてに先発している古賀康誠投手は入念にダッシュを繰り返したあとおよそ40メートルの距離でキャッチボールを行いました。

この練習の途中で古賀投手は坂原秀尚監督から「投げるときの体重移動が速く軸足の“ため”ができていない」と指摘されたということで、1球1球フォームを確かめていました。

また、20日の準決勝で2人目で登板し、130球を投げた仲井慎選手はキャッチボールは行わず、ランニングやダッシュなど軽めの調整にあたっていました。

下関国際 山下主将「野球できるありがたみ表現したい」

下関国際高校のキャプテン、山下世虎選手は今のチームの状態について「試合を勝つごとにチームのレベルが上がってきているように感じています。今までやってきた練習の成果を発揮できているので、いい状態です」と話していました。

そのうえで「入学してからこの大舞台に立つために練習を重ねてきましたが、ここには自分たちの力だけではこられなかったと思います。決勝では先輩から受け継いだ下関国際の野球と、野球ができるありがたみをチーム全員で表現したいと思います」と意気込みを話しました。

下関国際 坂原監督「卒業生の思いも背負って戦う」

下関国際高校の坂原秀尚監督は準決勝までの試合を振り返って「もともとは守備に自信があるチームでバッティングはそんなに点数はとれないと思っていましたが、びっくりするくらい甲子園で打線がつながってくれています。守備でも最少失点で相手の攻撃を抑えられていて、選手たちが大舞台でも自分たちの力を出し切ってくれていることが勝てている要因だと思います」と話しました。

また、初優勝を目指して臨む22日の決勝に向けては「2005年に就任した当初は、部員も11人とギリギリで、グラウンドには草が生え道具もそろわない状態でした。そういう状態から18年間ぶれずにやってれたのは、指導できる選手がいてこそなので、あすは卒業生の思いも背負って戦い、優勝して帰りたいです」と意気込みを話していました。

東北勢 過去9回決勝に臨むも優勝に届かず

夏の全国高校野球で、東北勢は、これまで9回決勝に臨んでいますが、優勝には届いていません。

東北勢は、1915年(大正4年)の第1回大会で、秋田中学、現在の秋田高校が準優勝したもののその後は、決勝にも進めない時代が続き、半世紀余りがたった1969年(昭和44年)、青森の三沢高校が太田幸司投手の活躍で東北勢として54年ぶりの決勝進出を果たしました。

愛媛の松山商業との試合は延長18回、史上初めて決勝での引き分け再試合となり、翌日の再試合で敗れました。

2年後の1971年(昭和46年)には福島の磐城高校が「小さな大投手」とよばれた身長1メートル65センチのエース、田村隆寿投手の活躍で東北勢として3回目の決勝に進みましたが、優勝はなりませんでした。

平成に入ってからは、1989年に宮城の仙台育英高校、2003年(平成15年)に現在、大リーグで活躍するダルビッシュ有投手がエースだった東北高校の宮城県勢が決勝に進みました。

さらに東日本大震災が起きた2011年(平成23年)からは青森の光星学院、現在の八戸学院光星高校が強力打線を持ち味に2年連続で決勝に進み、2015年(平成27年)には仙台育英が2回目の決勝に臨みましたが、いずれも優勝には届きませんでした。

そして、直近では、節目の第100回大会となった2018年(平成30年)に、秋田の金足農業が現在、プロ野球・日本ハムの吉田輝星投手を擁して、秋田県勢として第1回以来、103年ぶりに決勝に進みましたが、東北勢9回目の挑戦でも深紅の大優勝旗を東北に持ち帰ることはできませんでした。

また、センバツでも2001年(平成13年)に仙台育英が初めて決勝に進み、その後、2009年(平成21年)に、現在、大リーグでプレーする菊池雄星投手がエースとして引っ張った岩手の花巻東高校、2012年(平成24年)に光星学院と東北勢は合わせて3回、決勝に進みましたが、いずれも準優勝でした。

ことし夏の全国高校野球で通算3回目の決勝に挑む仙台育英が東北勢の悲願を達成するのか注目されます。

山口県勢 決勝に臨むのは37年ぶり

夏の全国高校野球で、山口県勢が決勝に臨むのは37年ぶりで、1958年(昭和33年)の柳井高校以来64年ぶりの優勝を目指すことになります。

山口県勢は、1939年(昭和14年)の第25回大会で下関商業が初めて決勝に進み決勝では、和歌山の海草中学に敗れ、準優勝となりました。

1958年(昭和33年)には柳井高校が決勝で、卒業後、プロ野球・中日で活躍した板東英二投手を擁する徳島商業に勝って、初優勝しました。

その後は、1963年(昭和38年)に下関商業、1964年(昭和39年)に初出場の早鞆高校。

1972年(昭和47年)に2回目の優勝を目指した柳井高校、1974年(昭和49年)に初出場の防府商業、現在の防府商工、1985年(昭和60年)に宇部商業が決勝に臨みました。

しかし、いずれも敗れ、準優勝となりました。

このうち、1985年の宇部商業は、桑田真澄投手と清原和博選手の「KK」コンビを擁し、圧倒的な強さを誇った大阪のPL学園と接戦の末のサヨナラ負けでした。

その後、山口県勢は決勝に進めない時代が続き、今回、37年ぶりの決勝で64年ぶり2回目の優勝を目指します。