ウクライナ ザポリージャ原発の非武装化 ロシア側は拒否

ロシア軍が掌握しているウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所について、国連のグテーレス事務総長らが非武装化を主張していることに対してロシア側は拒否する考えを示していて、国際社会から原発を盾にしていると非難の声が相次いでいます。

ウクライナでは東部ハルキウで、17日から18日にかけて住宅などへの砲撃があり、州知事によりますと、子どもを含む17人が死亡するなど激しい攻撃が行われています。

またザポリージャ原子力発電所や、その周辺では、今月に入り砲撃が相次いでいて、ウクライナとロシアが互いに相手の攻撃だと非難を繰り返しています。
こうした中、西部リビウを訪れている国連のグテーレス事務総長は18日、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し「原発の周辺は非武装化されるべきだ」とロシア側に軍事行動の停止と部隊の撤退を求めたことを明らかにしました。
またアメリカ国務省のプライス報道官も18日、「ロシアが核の安全を軽視していることに対し、最も強いことばで非難する」と述べ、原発の管理をウクライナ側に戻すよう求めています。

これに対してロシア外務省の副報道官は、「受け入れがたい」と述べて拒否する考えを示し、「非武装化すれば原発の安全性がさらにぜい弱になる」と主張しています。
さらにロシア国防省の報道官は、国連のグテーレス事務総長のウクライナ訪問について、「ウクライナは国連事務総長の訪問中の19日に原発での挑発行為を準備している」と非難しました。

一方ウクライナ側も「ロシアが国連事務総長のウクライナ滞在に合わせてテロ攻撃を行う可能性がある」と主張していて、双方が非難を繰り返す事態となっています。

IAEA=国際原子力機関は原発の安全性を確保するため視察や調査に入ることを目指していますが、実現に向けた手続きは難航することが予想され、国際社会からは、ロシアが原発を盾にしていると非難の声が相次いでいます。