米同時多発テロ事件 遺族ら設立の博物館の1つ閉館 来館者減で

2001年のアメリカ同時多発テロ事件のあと遺族などが設立したニューヨークにある博物館の1つ「トリビュート・ミュージアム」が、新型コロナウイルスの影響で来館者が減ったことなどから運営資金が不足し、事件から21年になるのを前に閉館しました。

「トリビュート・ミュージアム」は、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件の遺族や現場に駆けつけた消防隊員などが設立した博物館で、遺品の展示のほか、遺族などが語り部として当時の様子を説明するツアーを行ってきました。

設立以来、博物館には140を超える国や地域から500万人以上が訪れていましたが、おととし以降、新型コロナウイルスの影響で長期間の閉鎖を余儀なくされました。

その後も海外からの来館者が回復しなかったことなどから運営資金が不足し、事件からまもなく21年になるのを前に、17日閉館しました。

最終日は多くの人が訪れ、写真を撮ったり語り部の話を聞いたりしていました。

語り部によるツアーに参加したドイツから来たという女性は「心を揺さぶられました。閉館すると聞いてとても残念です。できることなら再開してほしいです」と話していました。

また地元出身で当時1歳だった男性は「最後の日だと知り、感謝の気持ちを伝えるために来ました。とても悲しいです」と話していました。

博物館は、閉館後も語り部による活動はオンライン形式で続けたいとしています。