都の時短命令 “違法も賠償認めず” 控訴取り下げで判決確定

新型コロナの緊急事態宣言の期間中、営業時間の短縮要請に応じていないとして、東京都から時短命令を受けた飲食店の運営会社が都に賠償を求めていた裁判で16日、会社側が控訴を取り下げ、都の命令は違法とする一方で賠償の訴えを退けた判決が確定しました。

飲食店の運営会社「グローバルダイニング」は、緊急事態宣言が出されていた去年3月、東京都から特別措置法に基づき営業時間を短縮するよう命令を受けたのは不当だと主張して、都に賠償を求めていました。

1審の東京地方裁判所は、ことし5月、「命令を出した判断基準について、東京都から合理的な説明はなく、命令を出す必要が特にあったとは言えず違法だ」と指摘する一方、都に過失はなかったと判断し、賠償を求める訴えは退けました。

会社側が東京高等裁判所に控訴していましたが、16日に取り下げ、1審の判決が確定しました。

記者会見した会社側の弁護士は「2審の判決が出るまでに時間がかかるのはデメリットが大きいと考えた。1審の判決が出て以降、飲食店への時短要請や命令は出ておらず、判決には十分な社会的意義があった」と述べました。