お盆にコロナの症状悪化 入院できず 自宅療養せざるをえず

新型コロナの感染拡大が続く中、お盆期間中も酸素の投与が必要なほど症状が悪化しながらも、自宅で療養せざるをえない患者が相次いでいます。

夜間や休日に救急患者の往診を行う医師グループ「ファストドクター」では、自治体の委託を受けて新型コロナの自宅療養者を対象に診療を行っています。

代表の菊池亮医師によりますと、お盆期間に休診する医療機関が増える中、医療スタッフの体制を強化して対応にあたっているということですが、肺炎であってもすぐに入院できない患者が相次いでいるということです。

このうち、都内の80代の男性は、今月12日に陽性と判明し、自宅で療養していましたが、13日に血液中の酸素の値が80%台後半に下がったため、救急車を呼んだものの、搬送先が決まらず、入院できませんでした。

往診の依頼を受けた医師が訪ねた時、男性は動くことやことばを発することもほとんどできない状態でしたが、酸素濃縮装置を持ち込んで酸素を投与したところ、容体は少し改善したということです。

医師も入院先を手配するため保健所に何度も電話をかけましたが、つながらず、この日は自宅で酸素を投与して様子をみることになりました。

「ファストドクター」の代表、菊池亮医師は「感染者が減っている地域もあるので、安心ムードもあるかもしれないが、ピークアウトの実感はない。リスクの高い患者が入院できない状況が続いているので、基本的な感染対策を改めて心がけてほしい。また、高齢者や基礎疾患がある人と接触する機会がある人は十分に注意してほしい」と話しています。