ウクライナ大統領 “原発のロシア兵 われわれの特別な標的”

ウクライナにあるヨーロッパ最大規模の原子力発電所で砲撃が相次ぐ中、ウクライナのゼレンスキー大統領は「原発に向かって撃ったり、原発から撃ったりするロシア兵は、われわれの特別な標的となっている」と述べ、ロシア軍を強くけん制しました。

ウクライナ南東部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原子力発電所では今月5日から砲撃が相次ぎ、ウクライナとロシアの双方が「相手の攻撃だ」と主張しています。

こうした中、ゼレンスキー大統領は13日「ロシア軍は、原発に隠れて近隣の町を攻撃するとともに、原発の敷地内への砲撃で挑発を繰り返している」と述べ、ロシア側を非難しました。

そのうえで「原発に向かって撃ったり、原発から撃ったりするロシア兵は、われわれの特別な標的となっている」と述べ、原発を掌握しているロシア軍を強くけん制しました。

ウクライナ情勢をめぐっては、ロシア国防省が13日、東部のドネツク州でウクライナ側の拠点を攻撃したなどと発表した一方、ウクライナ軍はロシア軍に掌握された地域の奪還を目指して南部へルソン州で反撃を続けています。

ゼレンスキー大統領は12日、軍事侵攻を受けて出している戒厳令と総動員令を、ことし11月下旬まで延長する法案を議会にあたる「最高会議」に提出しました。

法案が可決されれば、18歳から60歳の男性の出国制限が今後も続くことになり、ウクライナとしてはロシアとの長期戦に備える構えです。