東北・北海道・北陸など 再び大雨のおそれ 土砂災害などに警戒

北日本から西日本の広い範囲で大気の状態が不安定になっていて東北や北陸などで雨雲が発達しています。
14日から15日にかけては前線を伴った低気圧が北日本に近づく見込みで、東北と北海道、それに北陸などで再び大雨となるおそれがあります。
すでに記録的な大雨となっている東北北部などでは、災害の危険性が急激に高まるおそれがあり、土砂災害や川の増水などに警戒が必要です。

気象庁によりますと、暖かく湿った空気や上空の寒気の影響で北日本から西日本の広い範囲で大気の状態が不安定になり、局地的に雨雲が発達しています。

北海道の猿払村付近では、昼すぎから夕方にかけてレーダーによる解析で1時間に80ミリから100ミリの猛烈な雨が相次いで降ったとみられ、気象庁は「記録的短時間大雨情報」をあわせて3回発表しました。

その後も、西日本から北日本の各地で断続的に激しい雨が降っています。

これまでの雨で東北や北陸、静岡県などで地盤が緩んでいる地域や、水位が高い状態の川があります。

北日本中心に15日から再び大雨のおそれ

15日以降は、低気圧を伴った前線が北日本に近づく見込みで、東北と北海道では昼すぎから16日にかけて雷を伴って激しい雨が降り、局地的には1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。

また、新潟県や北陸でも15日は激しい雨が降り、今月17日にかけて断続的に雨が降って大雨となる見込みです。

15日夕方までの24時間の雨量は、
いずれも多いところで
▽東北の日本海側と新潟県で100ミリ、
▽北陸で80ミリ、
▽東北の太平洋側で60ミリと予想されています。
さらに16日の夕方までの24時間には
▽東北の日本海側で100ミリから200ミリ、
▽東北の太平洋側と北海道で100ミリから150ミリ、
▽新潟県で50ミリから100ミリの雨が降る見込みです。

記録的な大雨となっている東北北部では、これまでの雨で地盤が緩み、土砂災害や洪水の危険性が高い状態が続いていて、再び大雨となり災害が発生する危険性が高まるおそれがあります。
気象庁は土砂災害や川の増水、低い土地の浸水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの突風にも十分注意するよう呼びかけています。

東北は「長雨蓄積型」の災害に警戒を

今月、記録的な大雨が続いている東北では、14日は晴れ間が広がったところもありますが、15日以降は再び大雨が予想されています。

これまでの雨で地盤が緩んでいるうえ、雨が長く続くおそれがあり、「長雨蓄積型」の災害に警戒を続けてください。

東北各地で記録的な大雨

停滞する前線の影響で、東北では先週から雨が降り続いて記録的な大雨になり、今月8日の降り始めから14日午後2時までの雨量が
秋田県では
▽鹿角市で384ミリ、
▽大館能代空港で352ミリ、
▽大館市で341ミリなどと、
平年の8月1か月分の雨量の2倍を超えているところがあります。

岩手県でも
▽花巻市豊沢で200ミリに達しています。
また、
青森県では12日までの72時間の雨量が
▽弘前市の岳で402ミリ、
▽深浦町で386.5ミリなど、
合わせて17の地点で観測史上最も多くなりました。

「長雨蓄積型」に警戒

14日の東北地方は晴れたところが多いですが、地盤にしみこんだ大量の雨はすぐには抜けないうえ、岩手県では川の水位が高い状態が続いています。

このため、再び雨が降ると、少しの雨でも土砂災害や洪水につながったり、これまでよりも短い時間で災害が発生したりするおそれがあります。

急激に雨が強まっていなくても、長時間の雨によって引き起こされる被害は「長雨蓄積型」の災害とも呼ばれます。

1時間に30ミリ以上の激しい雨が観測されなかったのに、大きな被害となったのが、去年7月の静岡県熱海市で発生した土石流です。

また、2018年の「西日本豪雨」などでも長く続いた雨による土砂災害が発生しています。

気象庁のホームページの「キキクル(危険度分布)」で、土砂災害や川の洪水、浸水の危険度を確認するなど、最新の情報や身の回りの状況を確認し、地域や家庭で声を掛け合いながら早めの避難を心がけるなど対策をとってください。