ウクライナ 総動員令など11月まで延長の法案提出 長期戦に備え

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる軍事侵攻を受けて出している戒厳令と総動員令を、ことし11月まで延長する法案を議会に提出しました。
ウクライナとしては、ロシア軍に掌握された地域の奪還を目指して反撃を続ける中、長期戦に備える構えです。

ロシア国防省は13日、ウクライナ東部のドネツク州でウクライナ側の拠点を攻撃したと発表し、アメリカから供与された高機動ロケット砲システム=ハイマースの発射装置と弾薬庫を破壊したと主張しました。

これに対し、ウクライナ軍は、ロシア軍に掌握された地域の奪還を目指して、南部へルソン州で反撃を続けています。

地元メディアによりますと、ウクライナ軍の高官は「南部にあるロシア軍の補給路のほぼすべてを攻撃することが可能だ」と強調し、ハイマースなどの欧米から供与された兵器を駆使しながら、ロシア側への攻勢を強める姿勢を示しています。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、ロシアによる軍事侵攻を受けて出している戒厳令と総動員令について、今月23日に期限を迎えるのを前に、ことし11月下旬まで延長する法案を、議会にあたる「最高会議」に提出しました。

法案が可決されれば、防衛態勢の強化のために行われている、18歳から60歳の男性の出国制限が今後も続くことになり、ウクライナとしては、ロシアとの長期戦に備える構えです。