医療事故防ぐ安全管理の医師 23%の病院で配置されず 名大調査

医療事故や医療トラブルなどを防ぐために国は病院の安全管理を行う医師の配置を推奨していますが、全体のおよそ4分の1の病院でこうした医師が配置されていないことが名古屋大学などの調査で分かりました。

病院の医療体制や診療に関わる安全を管理する医師は全国に87か所ある「特定機能病院」では専従の医師の配置が義務づけられていますが、それ以外は病院の判断に委ねられていて国は医師の配置を推奨しています。

名古屋大学附属病院の長尾能雅教授らの研究グループは厚生労働省の研究事業として医師の配置状況などについて去年3月までの間、110床以上の病床がある全国およそ4900の病院にアンケート調査を行い738の病院から回答を得ました。

その結果、全体の23%、およそ4分の1の病院で、安全管理を行う医師が配置されていないことが分かりました。

また、安全管理が業務の5割未満の「兼任医師」を配置している病院は38%、業務の5割以上の「専任医師」を配置しているのが25%、業務の8割以上を占める「専従医師」を配置している病院は9%にとどまりました。

医療トラブルが起きた際、患者の被害を抑えるための緊急会議の開催状況を尋ねたところ「よく行っている」と答えたのは「専従医師」を配置している病院は36%、安全管理の医師を配置していない病院は10%でした。

また、再発防止策の作成状況について「よく行っている」と答えたのは「専従医師」を配置している病院は49%、配置していない病院は22%で、医師を配置している病院ほど安全対策が進んでいる傾向があることも分かりました。

長尾教授は「安全管理の体制が充実している病院と道半ばの病院とで二極化が進んでいる。患者の安全を第一に捉え、多くの病院で安全管理を積極的に担う医師の配置を検討してほしい」と話しています。