公衆衛生が専門の国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は「自分が感染している状況で、どこに避難していいか悩むと思うが、災害は平時でないので、命を守るということを優先し、ちゅうちょなく避難しなければいけない。自治体などに、あらかじめ連絡をとったうえで、情報をしっかり把握し避難してほしい」と呼びかけています。
そのうえで、「気象状況が悪い中で、自治体が感染対策にも配慮しながら避難者に対応するのは相当大変なことだと思う。避難する場合は、避難所だけでなく、親戚や知人の家などに避難させてもらえるのか、事前に相談したり、食料や飲料水、それに薬なども用意して備えておくことも必要だ」としています。

台風に備え 都内自治体 コロナ自宅療養者の避難所受け入れ準備
台風8号が東海や関東甲信にかなり接近し、上陸するおそれがある中、東京都内の自治体では、新型コロナウイルスに感染して自宅で療養している患者も、避難所などで受け入れられるよう備えています。
このうち東京 江戸川区では、11日の時点で、新型コロナウイルスに感染して自宅で療養している患者はおよそ1万8600人いて、第6波のピーク時に比べ30%ほど多くなっています。
こうした中、都の避難所の新型コロナ対策のガイドラインなどに沿って、対策を進めているということで、災害時は、自宅で療養している患者も含め、すべての住民に対し、まずは安全な地域に暮らす親戚や知人などのもとへ広域に避難することを呼びかけています。
そして、避難所に来ざるをえない状況も想定し、検温や消毒など感染対策を徹底したうえで、患者や、その家族、濃厚接触者の疑いがある人の専用のスペースも設け、受け入れる体制を整えているということです。
江戸川区は、区のおよそ7割が海抜ゼロメートル地帯で、大雨など災害の際には、広い範囲で被害が出ることも想定されていて、広域に避難を呼びかける情報が出ている場合、事前に区外の宿泊施設などに避難した人には、1泊当たり3000円を最大で3泊まで補助することにしています。
江戸川区防災危機管理課の藤川則和統括課長は「災害の際には、コロナに感染して自宅で療養している患者も、命を最優先に、早い段階で避難を検討してほしい」と話しています。
専門家「命守るということを優先し避難を」
