ウクライナ南部クリミアの爆発 黒海艦隊戦力著しく低下したか

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアで起きた爆発では、クリミアに司令部を置くロシア軍黒海艦隊の航空戦力が著しく低下したと指摘され、双方の攻防がさらに激しくなっています。

ロシアが8年前に一方的に併合したウクライナ南部クリミアでは9日、駐留するロシア軍の基地で大規模な爆発があり、ウクライナ政府は公式に関与を認めていませんが、アメリカの複数の有力紙は、ウクライナ側が攻撃に関与したという見方を伝えています。

この爆発について、イギリス国防省は12日、「少なくとも5機の戦闘爆撃機『スホイ24』と3機の戦闘機『スホイ30』が破壊されたか大破した」と指摘しました。

そして「戦闘機8機の損失は、ロシアが戦争に投入できるすべての航空戦力の一部にすぎないが、黒海艦隊の航空戦力は著しく低下した」と指摘しています。

ウクライナ軍も11日「爆発以降、ロシア軍の南部での航空機の作戦が減少した」と分析し、ロシア軍の作戦に影響が出ている可能性があります。

一方、ロシアの前の大統領で、現在は安全保障会議の副議長を務めるメドベージェフ氏は11日、ロシア軍が掌握を宣言したウクライナ東部のルハンシク州を訪問したと明らかにしました。

メドベージェフ氏は、プーチン大統領の側近らとともに、東部2州の親ロシア派武装勢力の指導者と会議を開き「親ロシア派の地域の法律をロシアの法律に調和させることや、インフラの復旧などが重点的に話し合われた」としています。

ロシアは、ウクライナで掌握した地域を将来的に併合するため、来月にも住民投票を行う準備を進めているとみられますが、ウクライナ側は強く抵抗し、支配された地域の奪還を目指して攻防がさらに激しくなっています。