お盆も発熱外来続けるクリニック 定員大幅超予約申し込み 東京

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、お盆の期間中も休診せずに発熱外来を続けているクリニックには連日、定員を大幅に超える予約の申し込みが寄せられています。

東京 世田谷区のクリニックでは、お盆の期間中は休診する医療機関もあることから、予約枠を通常より拡大して発熱外来を続けています

先月下旬以降連日、定員を大幅に上回る申し込みがあるため、看護師が電話で聞き取りをしたうえで、基礎疾患がある人や40代以上の人などを優先して予約を受け付けています。

12日も、受付開始から1時間半ほどで高齢者や高校生などですべての予約枠が埋まり、医師が症状を聞き取ったあと、酸素の値の確認やPCR検査をしていました。

受診した患者の中には、夏休みで遊びに来た孫から祖母に感染し、その後、同居する家族全員が陽性になったケースもあったということです。
そしがや大蔵クリニックの中山久※ノリ院長は「感染症はお盆や土日祝日は関係なく広がってしまうので、診察が受けられないということがないよう、できることは限られているが精いっぱいのことをしたい」と話していました。

※ノリは「徳」の「心」の上に漢数字の「一」。

松野官房長官 “発熱外来体制確保 都道府県などに要請”

新型コロナへの対応をめぐり、松野官房長官は記者会見で、お盆期間中は人の動きが多くなり医療体制への影響が懸念されるとして、都道府県などに対し、発熱外来の体制確保などを要請したことを明らかにしました。

この中で、松野官房長官は「全国的にこれまででも最も高い感染レベルが継続し、医療提供体制に大きな負荷が生じており、今後の深刻化が懸念される状況だ。特にお盆の期間は人の動きが多くなり、医療体制への影響が懸念される」と指摘しました。

そのうえで、「都道府県などに対し、お盆期間中の発熱外来の体制確保、診療・検査が可能な施設名の公表、臨時の発熱外来の開設に取り組んでもらうよう要請した。日本医師会にも発熱外来の確保に協力を要請している」と述べました。

そして、「熱中症にも十分注意しながら、改めてマスクの適切な着用や効果的な換気、手洗い、3密の回避などの基本的な感染防止策を徹底し、ワクチン接種を積極的に受けてほしい。お盆期間中に帰省する人は、重症化リスクの高い高齢者などの感染を防ぐため、出発前や帰省先から戻った際に検査を受けてほしい」と呼びかけました。