新型コロナ 新規感染者増加ペース下がるも 全国的に最多レベル

新型コロナウイルスの新規感染者数を11日までの1週間平均で比較すると、全国では増加のペースは下がり、1.02倍とほぼ横ばいになっています。ただ、28の道と県で過去最多の感染者数となっていて、全国的に過去最多レベルの感染が続いています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について、前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、
▼7月14日までの1週間では、前の週に比べて2.13倍、
▼7月21日は1.72倍、
▼7月28日は1.67倍と、急速な増加が続いていましたが、
▼8月4日は1.11倍、
▼8月11日まででは1.02倍と、増加のペースは下がり、ほぼ横ばいとなっています。

都道府県別

都道府県別では、東京都や沖縄県など9都府県では前の週に比べて感染者数が少なくなっていますが、38道府県では横ばいか前の週より多くなっています。

全国の一日当たりの平均の新規感染者数はおよそ21万5508人で、28の道と県で1週間平均での新規感染者数が過去最多となっています。

沖縄県

沖縄県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.27倍、
▼8月4日は1.08倍、
▼8月11日まででは0.88倍と減少に転じました。

一日当たりの新規感染者数はおよそ4443人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は2119.42人と全国で最も多い状態が続いています。

東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県

東京都は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.66倍、
▼8月4日は1.04倍でしたが、
▼8月11日まででは0.91倍と減少に転じ、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2万9648人となっています。

神奈川県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.48倍、
▼8月4日は1.09倍、
▼8月11日まででは0.91倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1万3006人となっています。

埼玉県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.82倍、
▼8月4日は1.07倍、
▼8月11日まででは0.98倍で、
一日当たりの新規感染者数は1万1751人となっています。

千葉県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.81倍、
▼8月4日は1.05倍、
▼8月11日まででは0.92倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ8710人となっています。

関西 大阪・京都・兵庫

大阪府は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.61倍、
▼8月4日は1.00倍、
▼8月11日まででは1.01倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2万59人となっています。

京都府は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の2.01倍、
▼8月4日は1.15倍、
▼8月11日まででは0.97倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ4946人となっています。

兵庫県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.77倍、
▼8月4日は1.06倍、
▼8月11日まででは1.12倍で、
一日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ1万921人となっています。

東海 愛知・岐阜・三重

愛知県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.65倍、
▼8月4日は1.09倍、
▼8月11日まででは1.05倍で、
一日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ1万4574人となっています。

岐阜県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.63倍、
▼8月4日は1.31倍、
▼8月11日まででは1.13倍で、
一日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ3924人となっています。

三重県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.92倍、
▼8月4日は1.12倍、
▼8月11日まででは1.13倍で、
一日当たりの新規感染者数は2822人となっています。

北海道・宮城・広島・福岡

北海道は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の2.18倍、
▼8月4日は1.36倍、
▼8月11日まででは1.10倍で、
一日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ6641人となっています。

宮城県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の2.09倍、
▼8月4日は1.22倍、
▼8月11日まででは1.03倍で、
一日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ3018人となっています。

広島県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.80倍、
▼8月4日は1.31倍、
▼8月11日まででは1.45倍で、
一日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ4656人となっています。

福岡県は、
▼7月28日までの1週間は、前の週の1.71倍、
▼8月4日は1.07倍、
▼8月11日まででは0.94倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1万1545人となっています。

専門家「毎日のように20万超の感染者 高止まりの状態」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「感染者の増加のスピードは全国的には減少し、首都圏などでは新規感染者数の発生は減少傾向にあるが、毎日のように20万人を超える感染者が報告され、高止まりの状態が見られている。地方では、増加が続いている地域もあり、お盆が終わって都市部に人が戻ることで、都市部でも感染者の数が再び増加することも考えられる。また、お盆の期間中は発熱外来を閉じている医療機関もあり、診断を受けてない感染者が水面下でさらに増える可能性もある」と警戒感を示しました。

そのうえで「病床の使用率が高まり、医療がひっ迫してきている中で、新規感染者数が一日に20万人を超える状態があと10日も続くようなら、行動制限の検討が必要となってくる」と指摘しました。

そして、お盆の時期の感染対策について「まず一人ひとりが体調管理に注意し、熱があったり、せきが出たりするなど、感染を疑うような兆候があるならば、旅行を控えることが大事だ。移動の前には無料検査や市販されている検査キットを活用してもらい、特にお年寄りと会うときは、基本的な感染対策を徹底してほしい。また、旅行先で感染して、入院もできず、宿泊療養施設にも入れないケースもあるので、帰省を、感染状況が落ち着いた時期にずらすことを考えてもいいと思う」と話していました。