愛知県 患者の搬送困難に コロナ患者病床の8割以上埋まる

新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない中、愛知県ではコロナ患者専用の病床の8割以上が埋まっています。入院先を調整する名古屋市の対策室では、症状が悪化した患者の搬送先がなかなか決まらない事態となっています。

コロナ患者専用の病床の8割以上が埋まっている愛知県内のうち、名古屋市内には専用病床が622床ありますが、10日の時点でおよそ84%が埋まっています。

名古屋市の「新型コロナウイルス感染症対策室」では、症状が悪化して酸素投与が必要になるなど、保健所が入院が必要と判断した患者や、救急車で運ばれる患者について、病院と連絡をとるなどして搬送先を調整しています。

先月下旬から入院が必要な患者が急増し、現在、1日に40件から50件の調整が必要になっているということです。

こうした中、コロナ患者を受け入れる病院では、スタッフが感染したり、濃厚接触者になったりするなど人手不足になっていて、実際に稼働できる病床は、ほぼ満床の状態です。

また、救急車による搬送も、搬送先が決まるまでに1時間かかるのは普通で、2時間以上かかるケースもあるほか、入院先を調整できずに、やむをえず高齢者施設や自宅で訪問診療などを受けながら対応してもらうケースも少なくないということです。

名古屋市健康福祉局の松原史朗医監は「今、医療がひっ迫していて、医療を受けたい全員の人に届けられる状況ではなく、命に関わる人、重症化する人を確実に救っていく必要がある。若くて健康な人は、軽症のうちは自宅で療養し、受診を控えていただきたい」と話しています。