クリミア半島のロシア軍基地で大規模爆発 南部で攻防激化か

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部のクリミア半島にあるロシア軍の基地で大規模な爆発がありました。ロシア側は攻撃を受けたものではないと説明する一方、ウクライナ側の関与を伝える報道もあり、ウクライナ南部をめぐる攻防が激しくなるおそれも出ています。

ロシアが8年前に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島に駐留するロシア軍の基地で9日、大規模な爆発がありました。

ロシア国防省は、航空機の弾薬庫が爆発したと発表し、攻撃を受けたものではないと説明しています。

ウクライナ国防省も「原因を特定できていない」などとし、公式には関与に言及していません。

一方、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは9日、ウクライナ政府高官の話として「ウクライナ政府に忠誠を尽くすパルチザン部隊が関与した」と伝えています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は9日、爆発の原因は分析中とする一方、「ロシア政府はウクライナから攻撃を受けたと非難する動機がない。ロシアの防空力が機能していないことを実証してしまうからだ」と指摘し、ロシアとして攻撃を受けたとは言わないだろうとの見方を示しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、「クリミアはウクライナのもので、われわれは決して諦めない」と述べており、ウクライナ南部をめぐる攻防が激しくなるおそれも出ています。