青森や秋田など 東北の記録的大雨 【被害・影響まとめ】

停滞する前線の影響で、青森県や秋田県では平年の8月1か月分を上回る記録的な大雨となっており、被害が発生しています。
また、今月3日から記録的な大雨となった山形・新潟・北陸などでも被害の対応に追われています。

被害や影響をまとめています。

山形県の文化財 天養寺観音堂 建物全体がずれる

山形県飯豊町にある天養寺観音堂は15世紀に建てられたとされる、町で最も古い建造物として県の文化財に指定されています。

町によりますと、今月の記録的な大雨で裏山が崩れたため、建物全体が、前方におよそ1メートル20センチ、右方向におよそ50センチずれ動いたほか、ひさしや壁が崩れるなどの被害が出ました。

10日は、復旧方法を検討するため、伝統的な木造建築に詳しい専門家らが訪れ、町の担当者と一緒に被害の状況を調査しました。

調査の結果、すべて解体して建て直す方法と、壁など壊れた部分を修復したうえで、建物はつり上げて元の場所に戻す方法が考えられるということです。

観音堂の中に安置されていた、同じ県指定文化財の「木造聖観音立像」などには被害はなかったということで、今後、県や町などは、観音堂の具体的な復旧方法を検討することにしています。

調査した山形大学工学部の濱定史助教は「歴史的な価値が高いものなので、雪が降る前に修復方法を決めて、冬を越せる状態にしたい」と話していました。

青森 弘前市小友地区 川があふれ住宅浸水などの被害

青森県弘前市小友地区では市内を流れる岩木川水系の旧大蜂川があふれ、住宅が浸水するなどの被害が出ています。

自宅が浸水した男性は、9日午後4時ごろから家の前の道路が冠水し始めて危険を感じ避難所に向かいましたが、すでに多くの人がいたため密を避けようと自宅近くの高台にある畑の小屋で一晩を過ごしたということです。

一夜明けて自宅に戻ったところ周辺の道路が冠水し、自宅も浸水していたということです。

この男性は「この先は車も通れないし、家の前は60センチほど冠水していました。大雨や洪水はどうしようもないことなので、今は水が引くのを待つしかないです」と話していました。

秋田 北秋田市李岱羽立地区 住民の孤立状態解消

秋田県の北秋田市によりますと、北秋田市李岱羽立(すももたいはだち)地区を流れる阿仁川の支流の水があふれ、この地区に住む13世帯29人が避難できなくなっていましたが、その後、水位が下がり、道路が通行できるようになったため、午後4時に孤立した状態は解消されました。

住民に体調を崩した人などは確認されていないということです。

青森 鰺ヶ沢町 JR五能線 中村川に架かる鉄橋が折れ曲がる

青森県の鰺ヶ沢町によりますと、JR五能線の中村川に架かる鉄橋が、折れ曲がっているのが確認されたということです。

町の職員が10日午前7時半すぎに撮影した写真では、橋脚に大きな流木が引っかかっていて橋の一部が沈み込み、線路が折れ曲がっている様子が確認できます。

中村川では、大雨の影響により鰺ヶ沢町の中村観測所で9日午前11時ごろから15時間にわたって「氾濫危険水位」を超える状況が続いていました。

JR東日本青森支店によりますと、鰺ヶ沢駅と深浦駅の間を中心に、土砂崩れや線路の盛り土が流出するなどの被害が確認されていますが、避難指示が出ていることなどから詳しい状況を確認できておらず、復旧の見通しは立っていないということです。

青森 弘前 りんご園が水につかる被害

9日からの大雨で青森県弘前市では川の水があふれ、近くにあるりんご園が水につかる被害が出ています。

岩木川と平川が合流する弘前市大川では9日の記録的な大雨の影響で川が氾濫し、河川敷にあるりんご園が水につかっています。

このうち70代の農家の男性が経営する広さおよそ30アールのりんご園では敷地のおよそ7割が水につかり、一夜明けた10日も木が1メートルほどの高さまで濁った水につかったままになっていて、中には倒れてしまった木もあります。

このりんご園は先週の大雨でもあふれ出た川の水につかっていて、ボランティアに手伝ってもらいながら泥や石の撤去を進めていた矢先に今回の被害に遭ったということです。

男性は「今回の被害は先週の雨とは比べものにならないほど大きいです。春から大切に育ててりんごも色づき始め、収穫できるのを楽しみにしてただけに悔しいです」と話していました。

青森 鰺ヶ沢町 少なくとも400棟が浸水

青森県鰺ヶ沢町では地区を流れる中村川が一時、氾濫危険水位を超えるなど記録的な雨に見舞われ、消防によりますと、住宅や店舗、少なくとも400棟が浸水したということです。
このうち舞戸地区では雨の中、住民の人たちが10日朝から水につかった家具を家の外に出したり、住宅の中に入った泥をスコップでかき出す作業に追われていました。

自営業の38歳の男性は9日、親戚の家に避難し、10日朝、自宅に戻ったところ、冷蔵庫や家具、それに仕事で使う工具などが水につかって、散乱した状態になっていたということです。

男性は「けさ、家に帰ったら冷蔵庫も洗濯機もすべてひっくり返っていました。ため息が出ます」と話していました。

また、5歳までの子ども46人が通う保育所では、園児が遊ぶ部屋に置いていた遊び道具が泥につかるなどしていて、しばらく休園せざるをえないということです。

保育所の理事長は「40年ここに住んでいるが、こんなことは初めてで非常に驚いています。片付けがどれくらいかかるか分からず不安です」と話していました。

青森 深浦町 道路陥没や土砂崩れで2つの地区の住人が孤立状態

青森県深浦町によりますと、大雨の影響で追良瀬にある松原地区と長慶平地区からそれぞれ市街地に通じる町道で道路の陥没や土砂崩れが起き、通行止めになっているほか、ほかの地区につながる道路でも土砂崩れなどが起きているため、2つの地区に住む人は孤立した状態になっているということです。

町によりますと、2つの地区に住んでいるのは38世帯79人で、連絡が取れる状態だということですが、長慶平地区では9日から停電が続いているということです。

町によりますと、道路の復旧のめどは立っていないということで、これらの地区に備蓄している食料や水などを輸送するため、県に対し自衛隊の派遣要請を依頼するかどうか検討しているということです。

山形 川西町 「り災証明書」発行に向けて被害状況調査進む

今月3日からの記録的な大雨で住宅が浸水する被害が相次いだ山形県川西町では、公的な支援を受けるために必要な「り災証明書」の発行に向けて被害状況の調査が進められています。

川西町では記録的な大雨の影響で住宅が浸水する被害がこれまでに215棟、確認されています。

町は住民が公的な支援を受けるために必要な「り災証明書」の発行に向けて被害状況を調査していて、10日は町の職員が小松地区を訪れ、住宅を見て回りました。

職員は浸水した高さを計測したり、泥水につかった床や壁をカメラで撮影したりして、被害状況を確認していました。

床上まで浸水したとして町の調査を受けた90代の女性は「復旧のお金が必要なので、保険や支援制度を利用していきたい」と話していました。

町は調査を行ったうえで「り災証明書」を発行し、2週間後をめどに郵送することにしています。

調査を行った川西町財政課の川崎俊輔主事は「被災した方々は自宅の片付けなどで大変な状況だと思うが、り災証明書をすぐに届けられるように調査を進めていくので協力をお願いしたい」と話していました。