自民党役員人事 顔ぶれは

岸田総理大臣は内閣改造に先立って、午前中、自民党の役員人事を行いました。
以下、新たな役員の経歴です。

【経歴】麻生太郎 副総裁

自民党の副総裁に再任された麻生太郎氏は衆議院福岡8区選出の当選14回で、81歳。
党内第3派閥である麻生派の会長を務めています。

祖父は吉田茂 元総理大臣、父親の太賀吉氏は衆議院議員という政治家一家に育ちました。

学習院大学を卒業後、会社経営に携わり、日本青年会議所の会頭などを経て昭和54年の衆議院選挙で初当選しました。

外務大臣や総務大臣、幹事長などの要職を歴任し、平成20年9月には第92代の総理大臣に就任しましたが、翌年の衆議院選挙で大敗し、自民党は政権を失いました。

自民党が政権を奪還した平成24年の第2次安倍内閣以降、副総理兼財務大臣を9年近く務めて政権運営を支え、財務大臣の在任期間は、戦後最長となりました。

この間、安倍政権の経済政策「アベノミクス」を推進し、2度にわたる消費税率の引き上げなど重要課題に取り組みました。

盟友と言われた安倍元総理大臣が7月に亡くなった際には、葬儀で弔辞を読み、死を悼みました。

麻生氏は、去年秋の岸田政権の発足に伴って党の副総裁に就任し、岸田総理大臣は、茂木幹事長を交えた3人で定期的に会談して政権運営などをめぐり意見を交わしています。

スポーツを愛好し、昭和51年にはクレー射撃の日本代表として、モントリオールオリンピックに出場した麻生氏。

ゴルフに加え、体力づくりを兼ねて朝のウォーキングを日課としているほか、葉巻をたしなみ、巻紙で手紙をしたためるなど多彩な一面もあります。

「趣味は漫画」と公言し、劇画家のさいとう・たかをさんによる「ゴルゴ13」を愛読していることで知られています。

【経歴】茂木敏充 幹事長

自民党の幹事長に再任された茂木敏充氏は衆議院栃木5区選出の当選10回で、66歳。

東京大学を卒業後、商社の丸紅を経て、アメリカのハーバード大学大学院に留学して公共政策を学びました。

平成5年の衆議院選挙で、当時の日本新党から立候補して初当選し、平成7年に自民党に移りました。

去年11月には、亡くなった竹下亘・元総務会長のあとを継いで「茂木派」の会長に就任し、54人の議員が所属する党内第2派閥を率いています。

茂木氏は外務大臣や経済産業大臣、経済再生担当大臣などを歴任するとともに、自民党では政務調査会長や選挙対策委員長などを務め党内屈指の政策通として知られています。

経済再生担当大臣としてはTPP=環太平洋パートナーシップ協定や日米貿易協定の交渉などで中心的な役割を担ったほか、外務大臣としては安倍政権が掲げた外交政策「自由で開かれたインド太平洋」の推進に取り組み、新型コロナの水際対策にも対応しました。

そして去年11月に辞任した甘利幹事長の後任として、外務大臣から党の幹事長に就任しました。

この夏の参議院選挙で陣頭指揮をとり、自民党単独で63議席を獲得し、改選議席125の過半数を確保して、大勝に導きました。

岸田総理大臣としては、党内第2派閥の会長を務め、政権運営に深く関与している茂木氏を麻生副総裁とともに続投させることで、政権の骨格を維持し、引き続き安定させる狙いがあるものとみられます。

茂木氏は、霞が関の官僚が舌を巻くほどの記憶力の持ち主で、東京大学の入学試験に遅刻しながら合格したという逸話もあります。

生活は夜型で、毎晩のテレビドラマ鑑賞を息抜きとしています。

ワインを好み、趣味のゴルフは、政界でも指折りの腕前との声もあります。

【経歴】遠藤利明 総務会長

自民党の総務会長に起用された遠藤利明氏は衆議院山形1区選出の当選9回で、72歳。
谷垣グループに所属しています。

山形県議会議員などを経て、平成5年の衆議院選挙で初当選しました。

オリンピック・パラリンピック担当大臣や大会組織委員会の副会長を務め、去年の東京大会の開催に尽力しました。

おととしと去年の総裁選挙では岸田陣営の選挙対策本部長を務めるなど、岸田総理大臣に近いことで知られ、岸田政権の発足に伴い、党4役の選挙対策委員長に起用されました。

そして選挙実務の責任者として、去年秋の衆議院選挙とことし夏の参議院選挙の2回の国政選挙で党を勝利に導きました。

岸田総理大臣としては、信任が厚い遠藤氏を党の意思決定機関である総務会のトップに起用することで、自らの意に沿う形で意見集約を図れるようにする狙いがあるものとみられます。

遠藤氏は大学時代はラグビーに打ち込んだほか、ジョギングやマラソンの普及を図るための超党派の議員連盟を発足させるなど、スポーツの振興に熱心に取り組んできました。

イタリア料理が好きで、料理に合わせたワインを楽しむのが息抜きです。

趣味のゴルフを通じて、政財界の関係者と交流を深めています。

【経歴】萩生田光一 政務調査会長

自民党の政務調査会長に起用された萩生田光一氏は衆議院東京24区選出の当選6回で、58歳。

明治大学を卒業後、東京・八王子市の市議会議員や東京都議会議員などを経て平成15年の衆議院選挙で初当選しました。

亡くなった安倍元総理大臣に近く、第2次安倍政権以降、官房副長官や文部科学大臣、党の幹事長代行などを歴任して頭角を現します。

教育行政に精通していることで知られ、文部科学大臣時代には公立小学校の1クラスあたりの定員を35人以下に引き下げ、すべての学年でいわゆる「35人学級化」を実現するための法改正などに取り組みました。

去年秋に発足した岸田内閣では、文部科学大臣から経済産業大臣にポストをかえて起用されました。

経済産業大臣として、ウクライナ情勢を受けたエネルギー安全保障や、東京電力福島第一原子力発電所の処理水対策に取り組んだほか、先月には日米の外務、経済閣僚が経済分野の議論を行う経済版「2プラス2」の初会合に臨みました。

岸田総理大臣としては萩生田氏の調整力などを高く評価した上で、安倍氏の側近だった萩生田氏を起用することで、政権運営にあたって、党内最大派閥・安倍派を重視する姿勢を示す狙いがあるものとみられます。

萩生田氏は犬の散歩やスポーツ観戦を趣味としています。

町中華でのラーメンやギョーザを好み、たくさん頼んで残さないことをモットーとしています。

学生時代は野球やラグビーなどスポーツに打ち込み、国会議員になったあとも母校の早稲田実業の試合の応援に駆けつけていました。

【経歴】森山裕 選挙対策委員長

自民党の選挙対策委員長に起用された森山裕氏は衆議院鹿児島4区選出の当選7回で、77歳。
森山派の会長を務めています。

鹿児島市議会議長などを経て、平成10年の参議院選挙で初当選し、平成16年に衆議院議員に転身しました。

平成17年の衆議院選挙では郵政民営化関連法に反対したため、自民党の公認を得られず、無所属で立候補して当選し、翌年、復党しました。

これまでに農林水産大臣や衆議院農林水産委員長などを歴任し、農政に精通しているほか、平成29年から4年あまりにわたって歴代最長の期間、自民党の国会対策委員長を務め、安倍政権や菅政権を支えました。

岸田総理大臣としては今後、衆議院選挙の小選挙区の「10増10減」に伴い、党内の選挙区調整が難航することも予想されることから、森山氏の調整力に期待するとともに、菅前総理大臣や二階元幹事長に近い森山氏を党4役に起用することで挙党態勢を構築する姿勢を示す狙いがあるものとみられます。

森山氏は、尊敬する人物として明治維新を成し遂げた地元・鹿児島の西郷隆盛をあげています。

「農業の振興こそが国の礎になる」という西郷隆盛の教えを大事にしているということです。

【経歴】高木毅 国会対策委員長

自民党の国会対策委員長に再任された高木毅氏は、衆議院福井2区選出の当選8回で、66歳。
安倍派に所属しています。

平成12年の衆議院選挙で初当選し、これまでに復興大臣や衆議院議院運営委員長などを務め去年秋の岸田政権発足に伴い、党の国会対策委員長に就任しました。

ことしの通常国会では政府が提出した61の法案が26年ぶりにすべて成立しました。

岸田総理大臣としては、野党側とも一定の人脈がある高木氏を続投させることで国会運営を円滑に進めるとともに高木氏が党内最大派閥の安倍派に所属していることから、挙党態勢をアピールする狙いがあるものとみられます。

高木氏は原発が立地している福井県の出身であり、エネルギー政策に精通していることでも知られています。

明るい性格で声が大きく、宴席では盛り上げ役となり、安倍派内では「宴会部長」とも呼ばれています。